放送研究と調査(月報) - 目次

各国の「放送界の動き」に関する情報を掲載しています。

放送界の動き

英BBC協定書が改定

イギリスの公共放送BBCと政府の間で締結される協定書が9月14日に一部改定された。これは,2010年5月に成立した保守・自民連立政府の公約に含まれていたBBCの業務運営の透明性の強化を実行するため,会計検査院(NAO)がBBCの会計にアクセスする権利を全面的に保障すること,また,2010年10月に政府が決定した新設するローカルテレビサービスやブロードバンドの全国普及などに受信許可料を割り当てることなどを協定書に加えるものである。

英ニュースの市場シェア上限設定を検討

英国のハント文化・メディア・スポーツ相は9月14日,特定のメディア企業の巨大化を避けるため, ニュースの市場シェアに一定の上限を設けられるかどうか調査するようOfcom(Office of Communications)に要請した。News Corp系新聞社の盗聴事件に端を発した動きだが,Ofcomの調査ではBBCのシェアが37%,News Corpは所有する新聞やBSkyBを合わせても22%で,BBCをターゲットにした規制と見られている。これに対してBBCトラストのパッテン委員長は,BBCの報道は視聴者の信頼を得ており,縮小する考えはないと反論した。

仏公共テレビ番組改編で100の新番組

公共放送フランステレビジョンは,新学年の始まる9月に合わせた大規模な番組改編を発表した。それによると,5チャンネルあるグループ全体で,合わせて100の新番組を立ち上げ,このうち50は全国放送で,50はローカル放送または海外県向けの放送となる。ローカル放送については,これを担うFrance3の地域向けの番組をこれまでより40%ほど増やすとしている。フリムラン会長は「情報と創造」を戦略の軸として掲げ,「すべてのフランス人に届ける公共サービス」を実現したいとしている。

独ZDF,ニュースチャンネルをリニューアル

ドイツの公共テレビZDFは9月5日,若い世代の視聴者を引きつけるため,1997年から放送しているニュース・情報専門のデジタルチャンネルZDFinfokanalを,新たに「ZDFinfo」としてリニューアルを行った。定時ニュース番組「heute」の制作者たちがライブでスタジオに登場し視聴者の質問に答える「heute plus」,インターネットの番組配信サービス「ZDFメディアテーク」の視聴ランキングと連動した「my info」などが新番組の目玉となる。ZDFは,2007年に3つのデジタルチャンネルのリニューアル計画を発表していたが,2009年のZDFneo,2011年5月のZDFkulturに続く今回で計画を完了した。

独,メディア利用による移民社会の分断なし

ドイツの公共放送ARDとZDFは9月16日,ドイツ国内の移民的背景をもつ住民のメディア利用に関する調査研究「移民とメディア2011年」の結果を発表した。これによれば,移民的背景をもつ住民の76%がテレビで,60%がラジオで,53%がインターネットでドイツ語による情報サービスを定期的に利用しており,母国語のメディアのみを利用している層は少数だった。この結果を受け,ピールARD会長は,「メディア利用の観点から,移民が分断された社会を形成しているとは言えない」とした。ARDとZDFの「移民とメディア」調査は,2007年に引き続き2回目。

伊Sky Italia, MediasetがサッカーセリエA放送権を獲得

イタリアのプロサッカー1部リーグ,セリエAを運営するLega Serie Aは9月22日,2012/2013シーズンから向こう3シーズン分の放送権を,衛星有料テレビのSky Italiaと地上デジタル(有料)のMediasetに販売することを決定した。3シーズンの権料の合計は24億8,700万ユーロ(約2,600億円)で,SkyはセリエA全20チーム分を計16億8,300万ユーロで,Mediasetはビッグクラブなど12チーム分を計8億400万ユーロで獲得した。1シーズンあたり平均で約8億3,000万ユーロのテレビ放送権収入が,セリエAの20チームに規定の割合で分配される。Sky Italiaは今季から「Sky Go」の名称で,iPadなどのタブレット型多機能端末向けに,セリエAの生中継を含む新サービスも開始している。