放送研究と調査(月報) - 目次

各国の「放送界の動き」に関する情報を掲載しています。

放送界の動き

米,ヒスパニックメディアの躍進続く

アメリカの調査機関Pew Research Centerは,ヒスパニックメディアに関する2011年の年次報告を8月29日に発表した。それによると,アメリカではヒスパニック系メディアが他のメディアよりも好調な業績を上げ,テレビでは,3大ネットワークの視聴者が前年比で減少したのに対し,最大のスペイン語ネットワークUnivisionは視聴者数を8%増やして3大ネットワークに迫る視聴者数を獲得するまでに成長した。アメリカにおけるヒスパニック人口の増加は,従来の移民の増加によるものから主として出生人口の増加によるものへと質的に変化し,英語も話すバイリンガル人口が増加しているが,バイリンガルの人たちの間でもスペイン語メディアの需要は増えているという。

世界のパソコン出荷台数,伸びが鈍化

アメリカの調査会社Gartnerは9月8日,2011年の世界のパソコン出荷台数が3億6,400万台と,2010年に比べて3.8%の伸びにとどまるとの見通しを発表した。以前の調査では9.3%の伸びを見込んでいたが,大幅に下方修正した。Gartnerでは,その理由を2011年下半期のアメリカと西ヨーロッパにおける販売不振と,世界的なタブレット型情報端末の人気の高まりによるパソコン離れをあげている。アメリカでは20~30代の若年層を中心に,パソコンを主要な機材と考えない傾向が生まれ,人々がパソコンの購入に慎重になっているという。

カナダ,テレビCMの音量規制導入へ

カナダの放送・通信に関する独立規制機関であるカナダ・ラジオ・テレビ電気通信委員会(CRTC)は9月13日,放送局に対し,2012年9月1日からテレビコマーシャルの音量を制限することを求める通達を行った。CRTCによれば,ここ数年にわたってコマーシャルの音量が大きすぎるという苦情が増え続けていたという。CRTCでは,アメリカのデジタル放送規格策定団体であるATSCの基準にしたがって放送局が音量を制限するよう求めている。これにより,番組とコマーシャルとが同じ音量で放送されることになる。

NYTimes.comの有料購読者,12%が海外から

アメリカの調査会社Paidcontent.comが9月21日に明らかにしたところによると,今年3月からネット上のコンテンツを有料にしたNYTimes.comの購読者契約数は,開始3か月で22万4,000を超え,このうち12%を海外の購読者が占めた。同社では,月20本までの記事の閲覧は無料で,それ以上のアクセスを有料としていることから,これまで月間のビジター数に減少などの影響は出ていないとしている。多くの新聞社が無料のコンテンツ展開を行う中で,NY Timesはいち早く課金制度を取り入れ,その成否が注目されている。

ローカルTVが緊急ニュース等の一番の情報源

Pew Research Centerが9月26日に公表した『人々は地域コミュニティをどのように知るか』という調査の結果によると,緊急ニュースの情報源については,ローカルテレビが全回答者の55%を占め,インターネットの16%,ローカル新聞の14%などを大きく上回った。調査対象は18歳以上の全米の男女2,250人で,電話によるアンケートに答えた。その他,天気や交通情報,地方政治などについてもローカルテレビがほかのメディアを抑えて情報源のトップとなった。

米CBS名物コメンテーター,降板

CBSの人気報道番組『60ミニッツ』で,30年以上にわたり番組のエンディングで一人語りのエッセイを担当したアンディ・ルーニー氏(92)が番組を降板すると,CBSが9月27日に明らかにした。ルーニー氏は1949年にCBSに入り,1968年の番組立ち上げ時からディレクターとして60ミニッツに関わった。1978年からは番組最後のコメンタリー(評論)のコーナーを担当するようになり,これまでの放送回数は1,096回に上った。時事問題や政治経済,社会の動きを,気取らず,時には怒りを込めて論評したが,好々爺然とした風貌と飾らない人柄で多くの人の支持を集めた。同氏は,今後は不定期に番組に登場する予定。