放送研究と調査(月報) - 目次

各国の「放送界の動き」に関する情報を掲載しています。

放送界の動き

2011年4月

4.7地デジ難視対策衛星放送 被災地で受信可能に

総務省とデジタル放送推進協会は東日本大震災の被災地である岩手,宮城,福島,茨城の各県と大地震が続いた長野県で,地上テレビ放送を見られなくなった世帯,事業所で「地デジ難視対策衛星放送」を見られるようにする措置を講じた。

4.7ラジオ共同キャンペーンNHKと民放が5月のイベントを延期

NHKと民放連は,若者のラジオ離れなどの対策として「はじめまして,ラジオです。」キャンペーンのイベントを11年5月に東京渋谷を中心に実施する予定だったが,東日本大震災を受けて延期すると発表した。

4.8ホワイトスペース特区,新たに25件を選定

総務省のホワイトスペース推進会議は,ホワイトスペース特区の全国展開にあたり,44件の申請のなかから25件を選定した。選定にあたって同会議は,東日本大震災を受けて非常時の緊急情報の配信と提供の在り方について,実証と検証を行うことを条件に付した。

4.9「NHKワールドTV」,CATV174局が配信

NHKは,東日本大震災に伴う緊急措置として,外国人向け国際放送「NHKワールドTV」をインターネット経由でCATV局に配信していたが,9日午前0時でもって停止した。「NHKワールドTV」は国内CATV174局が配信した。

4.12NHK経営委員長に數土文夫氏選任

NHK経営委員会は新経営委員長に數土文夫氏を選任した。數土氏はJFEホールディングス相談役で70歳。NHK経営委員長は,前委員長が会長選任をめぐる混乱で11年1月に辞任して以降,空席となっていた。

4.15テレビユー福島埼玉県の避難所にエリア外配信

福島県の民放局・テレビユー福島が,震災と原発事故で埼玉県加須市に集団で避難している福島県双葉町の住民に,放送エリア外であるが,福島県向けの地域情報番組とローカルニュースの配信を開始した。

4.19TBS株買い取り価格最高裁が「楽天」の抗告を棄却

「楽天」が保有するTBSホールディングスの株式の買い取り価格を巡ってTBSと「楽天」が裁判で争っていた問題で,最高裁判所第三小法廷は1株1,294円とした1審と2審の決定を支持し,「楽天」の抗告を棄却した。この価格は「楽天」が買い取りを求めた09年3月31日のTBS 株の価格で,「楽天」はTBS株の大量取得にあたって1株平均3,100円で取得していたといわれ,より高い価格での買い取りを求めていた。

4.20総務省,東北3県の地デジ化を延期

総務省は東日本大震災で甚大な被害のあった岩手,宮城,福島の東北3県について,11年7月に予定していた地上デジタルテレビへの移行を最大で1年間延長することを決めた。

4.20NHK,大相撲夏場所中継見送る

日本相撲協会が5月の夏場所にかえて開催する技量審査場所をNHKが中継しないことを明らかにした。NHKは,八百長問題の再生の取り組みが進行中,本場所の位置づけではない,と説明した。

4.26NHK受信料収入伸びる決算は30億~40億円の黒字へ

NHK経営委員会の數土文夫委員長が記者会見で,10年度の受信料収入が6,531億円に達し,過去最高になったと発表した。前年度に比して147億6,000万円増えた。これまでの最高は03年度の6,478億円。この結果10年度当初予算の61億円の赤字が,決算では30~40億円の黒字になる見込み。