放送研究と調査(月報) - 目次

各国の「放送界の動き」に関する情報を掲載しています。

放送界の動き

2010年8月

8.1日テレ記者ら2人取材中に遭難死

日本テレビの記者とカメラマンが,埼玉県秩父山中に取材に出かけて遭難し,遺体で発見された。2人は,遭難者救助の防災へリコプターが墜落し5人が死亡した事故現場を取材するため,現場の山中に入ったまま7月31日に消息を絶った。2人は山岳ガイドの案内で墜落現場の沢に向かったが,軽装備だったためガイドの判断で途中で引き返した。その後はガイドとは別行動をとっていたという。現場周辺は厳しい山岳地帯で,埼玉県警が取材の自粛を報道各社に要請していた。

8.5『報道ステーション』の隣人トラブル報道 公平性欠き,放送倫理上問題

BPOの「放送と人権等権利に関する委員会」は,長野県上田市で起きた隣人とのトラブルによる夫婦殺害事件に関して,2008年12月に放送したテレビ朝日の『報道ステーション』は,被害者遺族への配慮を欠いた内容であったとして,放送倫理上問題があったとする決定を行った。同委員会は,同報道が被害者遺族への取材をしなかった点に関して配慮に欠け,加害者側の問題点には一切触れなかったため,公平性を欠いたと指摘した。

8.5日本版フェアユース導入 文化審議会のヒアリングで賛否両論

文化庁・文化審議会著作権分科会の法制問題小委員会が2010年8月3日に続いて,日本版フェアユース,「利用制限の一般規定」の導入に関して関係団体からのヒアリングを行った。新聞協会等権利者側からは導入に反対する意見,日本弁護士連合会等からは賛成の意見が出され,関係団体の意見の隔たりは埋まらなかった。

8.9BSAT-3b,9月16日に打ち上げ

(株)放送衛星システム(東京都渋谷区)が,新たな放送衛星BSAT-3bを日本時間2010年9月16日に南米仏領ギアナから打ち上げると発表した。 BSAT-3bは「地上デジタル放送の衛星利用による難視聴対策」に対応するBSデジタル放送の予備衛星として使用されるほか,2011年秋には BS1ch,BS3ch,BS13ch,BS15chの現用衛星としてBSデジタル放送を引き継ぐ予定。

8.17携帯端末向けインフラ業者,選定遅れる

2012年春にも開始される携帯端末向け放送のインフラ事業者の選定が,電波監理審議会に一任された。この結果,8月中にも業者を決定するとしていた総務省の計画が遅れることとなった。インフラ事業者は1社が選定される予定だが,NTTドコモ系とKDDI 系の2社が競い合っている。

8.23自衛艦と漁船の衝突事故 初公判でニュース映像を証拠提出

千葉県房総沖で2008年2月に起きた自衛艦と漁船の衝突事故で,自衛官2人が業務上過失致死罪等に問われた裁判の初公判が横浜地裁で開かれ,弁護側が事件当時のニュース映像の録画を証拠として提出し,採用された。無断で提出されたのは,NHK,日本テレビ,TBSの映像で,放送局側は報道目的で取材された映像が公判で証拠として提出されたことに対し「遺憾」を表明した。

8.23NHK,地デジの緊急地震速報を迅速化

NHKが,全国27局で地上デジタルテレビの「緊急地震速報」のスーパー表示を早くした。東京タワーでカバーするエリアは約1秒,各放送局では約1.8 秒~2.5秒早くなり,アナログ放送とほぼ同じとなった。残りの21局は10月末までに対応工事が終了する予定。在京民放5社も改善した。

8.24BSデジタル放送など13分間停止

2010年8月24日14 時21分から34分までの約13分間,BS1,BS3,BS5,BS9,BS11,BS13,BS15,BS17(BSデジタルの全チャンネルとBSアナログの一部のチャンネル)の放送が停止した。衛星を運用する「放送衛星システム」によれば,原因は放送衛星BSAT-3aの姿勢が一時的に変動したため。放送は予備衛星BSAT-2c・2a・1bへの切り替えで復旧した。