放送研究と調査(月報) - 目次

各国の「放送界の動き」に関する情報を掲載しています。

放送界の動き

米週刊誌ニューズウィーク売却

米新聞大手ワシントン・ポストは,8月2日,傘下の週刊誌ニューズウィークを音響機器メーカーの創業者シドニー・ハーマン氏に売却すると発表した。 1933年創刊のニューズウィークは,1961年からワシントン・ポスト社が所有してきたが,最近は読者数が減少し,定期購読者は最盛期の320万人から現在では150万人にまで減っている。広告収入も減少し,昨年は3,000万ドル(約25 億円)の赤字を出していた。

米メディア大手の業績回復

米メディア大手のタイム・ワーナーとニューズコーポレーションは,8月4日,それぞれ2010年の第2四半期(4月~6月)の業績を発表した。それによると,タイム・ワーナーは売上高が前年同期比で8%増の64億ドル(約5,400億円),ニューズコーポレーションは6%増の81億ドル(約6,800億円)となった。両社とも広告収入の増加が顕著で,増収の大きな要因となっている。両社はここ数年,米国の景気低迷などにより業績が急激に悪化し,ネット関連事業を売却するなどのリストラを進めていた。

政府のブロードバンド普及政策支持率,半数以下に

米調査機関,ピュー・リサーチセンターが8月11日に発表した調査結果によると,ブロードバンド網の普及を米政府の重要政策だと考える人は41%に留まり,そうでないとする人の53%を下回った。また,アメリカでは家庭へのインターネットの普及のスピードが鈍り,2009年の63%から2010年は 66%と,ここ9年間では最も低い伸びとなっている。調査担当者は「意外だったのは,普及政策について政府のイニシアチブを最も望んでいないのは,インターネットを利用していない層の人達だった点だ」とコメントしている。

米CBS,インドでテレビ事業開始へ

米テレビネットワークCBS 傘下のCBS Studios Internationalとインドのメディア企業Reliance Broadcast Networkは,8月18日, 両社が提携して今年中にインドでテレビ放送を開始すると発表した。両社はジョイントベンチャーのBIG CBS Networksを立ち上げ,3チャンネル(総合娯楽,若者向け,女性向け)でインドや周辺の南アジア諸国に向けて英語による放送を行う。 Relianceはインドでラジオネットワークを所有しているほか,広告業などを手がける企業で,今回の提携で初めてテレビ事業に進出する。タイム・ワーナーやディズニーなど,アメリカの大手メディア企業は最近インドへの進出に力を入れているが,今回提携を発表した両社によると,インドの有料衛星放送の契約者は2012年までに3,500万人に達し,インドはアメリカを抜いて世界最大の市場になるという。

ブラジルの有力日刊紙,経営難から電子版へ移行

ブラジルで最も歴史のある日刊紙のひとつジョルナル・ド・ブラジル(Jornal do Brasil)は,8月31日をもって紙媒体から撤退し,9月からはインターネットのみで配信されることになった。1891年にリオデジャネイロで創刊された同紙は,ブラジルを代表する有力紙のひとつで,著名なジャーナリストや作家らを輩出してきた。しかし,最近はネットの普及などで読者数が減少したことから経営不振が続き,8億レアル(約380億円)とも言われる巨額の負債を抱えていた。ブラジルでは,昨年も有力経済紙ガゼタ・メルカンチル(Gazeta Mercantil)が廃刊に追い込まれている。

米都市部でニュースの“早朝化”進む

ボストンやニューヨーク,シカゴなどでは8月から多くのローカルニュースの開始時間が午前4 時台に繰り上がるなど,早朝から視聴者を獲得しようというテレビ局の試みが続いている。8月31日付のNYタイムズが伝えた。ニールセンの調べでは朝4時 30分にテレビをつけている世帯は1995年の8%から2010年では16%に倍増している。テレビ局幹部は,早朝ニュースはその後の番組の視聴率アップにつながると話すが,スタッフの増員はなく,前夜,放送したリポートを再利用するなど各局とも厳しい制作環境が続いている。