放送研究と調査(月報) - 目次

各国の「放送界の動き」に関する情報を掲載しています。

放送界の動き

2009年9月

9.3民放番組をNHKワールドで放送

NHKが,コンクールで受賞した民放局制作のドキュメンタリー番組を,外国人向け国際放送(NHKワールド)で,今年度から放送すると発表した。英語版制作の費用はNHKが負担する。民放局は英語版で海外コンクールに参加したり,英語版を海外に販売したりすることが可能となる。

9.4日テレ,フジが「GyaO」に出資

日本テレビとフジテレビが,インターネット映像配信会社「GyaO」の株式の7%をそれぞれ取得することになった。日テレは,無料広告モデル,課金モデル等の協業を検討する。フジは,「GyaO」が運営する有料映像配信サイトへ「フジテレビOn Demand」を出店する。

9.10裁判員裁判で少年時犯行を実名報道 日本弁護士会が「遺憾」を表明

日本弁護士連合会が,裁判員裁判で,一部のマスコミが犯行時少年であった被告を実名で報道したことに関して,「極めて遺憾」であり,「報道機関におかれては,少年法61条を遵守しつつ,国民の正当な関心に応える報道をされるよう,改めて強く要請する」との会長談話を発表した。さいたま地裁での裁判員裁判は,犯行時少年だったフィリピン人が被告だった。

9.11お笑いの「吉本興業」株 民放出資の投資会社が公開買付け

民放キー局5社などが出資する投資会社が,お笑いの「吉本興業」の全株式を取得する公開買付けを9月14日から実施すると発表した。吉本興業と資本面で関係を持つことにより,民放局は新たな事業展開がしやすくなる。

9.16鳩山連立内閣発足,総務大臣に原口氏

鳩山連立内閣が発足した。総務大臣には原口一博衆議院議員が就任した。原口大臣は,記者会見で,通信・放送行政を所管する独立行政委員会の設置を目指す考えを明らかにした。

9.18ラジオリスナーの生活実感調査 「苦しい」「やや苦しい」が56.9%

民放連が,初めてのラジオリスナー生活実感アンケートの結果を発表した。それによると,ラジオリスナーの生活満足度は,経済的に「苦しい」「やや苦しい」が合わせて56.9%にのぼった。今一番値下げして欲しいものは,「税金」「ガソリン」「食料品」だった。民放ラジオ101社が9月14日に調査を実施し 8,528名から回答があった。

9.25デジタルテレビ出荷実績 3か月連続で100万超す

電子情報技術産業協会(JEITA)の調べによると,09年8月のデジタルテレビの出荷実績は102万3,000台で,対前年同月比56.4%の増となった。デジタルテレビの出荷実績は,09年5月までは2か月連続で100万台を超えることはなかったが,09年6月以降は3か月連続で100万台を超えた。 JEITA は,エコポイント効果と見ている。

9.27NHK『激流中国 病人大行列』 イタリア賞を受賞

NHKスペシャル『激流中国 病人大行列』が,テレビ・ラジオ国際コンクール「イタリア賞」のテレビドキュメンタリー(時事問題)部門で,最優秀賞を受賞した。同番組は,無料だった医療サービスが利用者負担に変わった中国の医療問題を取上げたもので,08年6月に放送された。

9.29テレ朝とTBS「ユーチューブ」に配信開始

インターネットを利用した動画共有サイト「ユーチューブ」に,テレビ朝日とTBSが,ニュース番組などの配信を始めた。民放局は,「ユーチューブ」のサイトにコンテンツが不法投稿され,著作権が侵害されているとして,これまで提携に消極的だったが,「ユーチューブ」が不法投稿を自動的に排除するシステムを導入したことから,民放局としては初めての提携が実現した。