放送研究と調査(月報) - 目次

各国の「放送界の動き」に関する情報を掲載しています。

放送界の動き

2009年7月

7.6ネット流通市場1兆円規模に

総務省の「メディア・ソフトの制作及び流通の実態」に関する調査によれば,2007年のメディア・ソフトの市場規模は11兆4,110億円,前年比 0.3%減でほぼ横ばいで推移した。しかし,パソコン,携帯電話等を利用したネットワーク流通市場は急速な拡大が続き,前年比11.5%増の9,772億円で1兆円に近い規模となった。

7.9ホテル会社が受信契約に応じる NHKが民事訴訟を取下げ

受信契約に応じなかったとして,ホテル経営会社を相手に放送法施行後初めて民事訴訟を提起したNHKが訴訟を取下げたと発表した。ホテル経営会社が受信契約に応じ,請求された受信料を支払ったため。

7.10番組下請け制作の適正化へ 総務省がガイドライン(第2版)を公表

総務省が,テレビ局と下請け会社との番組制作等の取引を適正化する指針として「放送コンテンツの製作取引適正化に関するガイドライン」(第2版)を公表した。テレビ局優位の取引慣行を是正しようというもので,09年2月に続く2回目のガイドライン。

7.10携帯端末向けマルチメディア放送 総務省が基本的方針案を公表

総務省が,地上アナログ放送終了後の空き周波数を利用して開始される「携帯端末向けマルチメディア放送」の基本的方針案を公表した。全国向けと7地域ブロック向けの放送等を認定する方針で,09年9月に参入を希望する事業者の調査を行う。

7.1608年度,民放局は108社が赤字

民放連に加盟している201社の2008年度の売上高は前年度比4.9%減,経常利益は45.2%の減,全体の半数以上にあたる108社が赤字だった。民放連の広瀬道貞会長が記者会見で明らかにした。

7.17総務省行政指導に懸念を表明 TBSの報道でBPO委員長

放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会の川端和治委員長が,TBS テレビの『情報7days ニュースキャスター』が09年4月11日に放送した「二重行政の現場」で,事実とは異なる映像を放送した問題で,第三者機関である同委員会がこの事案を討議中であるにもかかわらず,総務省が09年6月5日に厳重注意の行政処分を行ったことは,表現の自由の萎縮につながりかねないとして,重大な懸念を表明した。

7.24珠洲市でアナログ放送終了リハーサル

地上デジタル放送への全面切り替えまで2年となったこの日,石川県珠洲市と能登町の一部で,1時間アナログ放送をストップして,デジタル放送への切り替えにあたっての問題点などを検証する初めてのリハーサルが行われた。

7.28NHK受信料,支払い拒否認めず 東京地裁が初の判断

NHKから受信料の支払い督促を受け,簡易裁判所の判断に異議を申し立て本裁判に移行した男性2人に対する判決が東京地方裁判所で言い渡され,支払い拒否を申し立てた2人に未納分の受信料全額の支払いが命じられた。受信料の支払い拒否をめぐって裁判所の判断が出たのは初めて。

7.30『真相報道 バンキシャ!』誤報問題 BPO委員会が検証番組の制作を勧告

日本テレビの『真相報道 バンキシャ!』が嘘の証言に基づいて,岐阜県の土木事務所で裏金づくりが継続していると報道した問題で,BPOの放送倫理検証委員会が制作体制に問題があったとして,誤報につながった経緯などを検証する番組の制作などを日本テレビに勧告した。