放送研究と調査(月報) - 目次

各国の「放送界の動き」に関する情報を掲載しています。

放送界の動き

米経済ニュース,動画配信を強化

アメリカの経済ニュース業界が,ニュース映像のネット配信を強化している。スタートからわずか1年で業界トップになったタイムワーナー系の金融ニュースサイトCNNMoney.comは3月5日,経済情報番組「ヘルプ・デスク」など新たに8つのネット向け専用の新番組を発表した。経済情報をインターネットで見る視聴者のニーズに応えようというもので,CNNMoney.comではコンテンツ制作コストの約25%を動画制作に当てている。同サイトの動画視聴は,月間約2,100万回と,2位のヤフーファイナンスの約5倍となっている。

デジタル未対応世帯410万に~ニールセン社調査

米ニールセン社の調査によると,3月15日現在,米国内でデジタル化に対応していないのは,全体の3.6%,410万世帯まで減少していることがわかった。3月初めの3.9%,450万から2週間で40万世帯がデジタル対応を行ったことになる。昨年10月の未対応世帯は960万だった。ニールセンの発表については,NAB(全米放送事業者協会)が,未対応世帯の中にはコンバーターボックスを購入したものの設置していない家庭や,クーポン券を申請してもまだ送付されていない世帯も含まれ,発表される未対応世帯数が実際より多いとして,厳密な数字を公表するよう求めている。

地デジ移行,900局余りが6月12日に

デジタル移行日が6月に延期されたアメリカでは,これまでに600局余りが移行を済ませているが,残りの1,100局余りのうち927局が6月12日に,158局がそれより前に移行を希望していることがわかった。FCC(米連邦通信委員会)が各局の意向をまとめ3月17日に明らかにした。アナログ放送を続けることで電気代や人件費などの出費が増えることや,電波塔の契約が切れることなどが,早期の移行を希望する理由とみられる。158局の半分は公共放送PBSの系列局が占めている。

クーポン券,再申請の受付始まる

NTIA(米商務省電気通信情報局)は,順番待ちになっていたデジタル-アナログ変換コンバーター購入用のクーポン券について,追加予算が投入され順番待ちリストが解消されるめどがついたとして,期限が切れたクーポン券の再申請の受付を3月24日から始めた。米政府はコンバーター購入を補助するため,40 ドルのクーポンを1世帯2枚まで配付していたが,1月4日に予算が上限に達して400万人以上が順番待ち状態になっていた。また,オバマ大統領は空席になっていたNTIAの局長に,以前FCCに勤務し大統領選でオバマ陣営の通信・技術アドバイザーもつとめたラリー・ストゥリクリング(LarryStrickling)氏を指名した。

米TiVo,ブロックバスターと映画配信提携

米DVR業界最大手のTiVo社は3月25日,ビデオレンタル大手のブロックバスターとの業務提携を発表し,同社のオンラインライブラリーからの映画配信サービスを,TiVoの利用者が利用できるようにすることを明らかにした。同サービスは今年下半期からスタートする予定で,利用可能な作品は約1万本となる見込みである。TiVo社はすでにアマゾン,ネットフリックスとも同様の提携を結んでいるが,ブロックバスター社には最近のヒット作を揃えているという強みがある。

1日8.5時間「画面」に向かうアメリカ人~米調査

成人のアメリカ人はテレビやパソコン,携帯電話,ビデオゲーム,カーナビのGPSなどの「画面」に1日平均8.5時間向かっているという調査結果が3月 26日,明らかになった。調査は,ニールセン社が出資する研究団体が行ったもので,どの年層(10代は調査対象外)も画面に向かう長さはほぼ同じで,45~54歳の年齢層のみ9.5時間と,ほかより1時間長かった。全年層を通じてテレビが強く,テレビでオンエア中の番組を見る時間は5時間9分,テレビで録画番組を見るのは15分,パソコンでWeb を見る時間が49分,パソコンでのメール利用は37 分などの結果であった。