放送研究と調査(月報) - 目次

各国の「放送界の動き」に関する情報を掲載しています。

放送界の動き

2009年1月

1.2紅白歌合戦,3年ぶり40%超える

大晦日に放送されたNHK紅白歌合戦の平均視聴率は,ビデオリサーチの調べで,関東地区では第1部が35.7%,第2部が42.1%だったことがわかった。第2部は3年ぶりに40%を超えた。

1.13ドラマ,海外向けネット配信の実証実験

日本音楽事業者協会が,経済産業省の委託を受けてインターネット向けドラマを海外にネット配信する実証実験を開始した。ドラマに5か国語の字幕を付け,動画共有サイトのユーチューブを通じて配信。日本のコンテンツに対する海外の反響を調査し,海外向けの新たな事業モデルを探る。

1.14NHK,13年ぶりの赤字予算

NHKが2009年度の事業計画・予算案を発表した。事業収入は6,699億円,事業支出は6,728億円で29億円の赤字予算となっている。地上波テレビのデジタル化経費等がかさむためで,1996年度以来13年ぶりの赤字予算となった。

1.15民放局中間決算で92社が赤字

民放連の広瀬道貞会長が記者会見で,2008年9月の中間決算で,民放連に加盟する地上波テレビ ラジオ局194社のうち92社(47.4%)が赤字だったことを明らかにした。赤字の主な原因は不況に伴う広告収入の減少と,地上デジタル化への設備投資。広瀬会長は「下期は,さらに悪化するとみられる」と語った。

1.15民放連が裁判員制度下の取材で幅広い映像・音声取材への理解を要請

民放連は,裁判員制度下の取材にあたっては,法廷内の映像や音声の取材が幅広く認められるべき,裁判員による記者会見も柔軟に検討されるべき等,取材の基本スタンス骨子をまとめ,最高裁などに理解を求めていくことを決めた。

1.22フジとライブドア,賠償訴訟で和解

ライブドアのニッポン放送株の買占め事件に関連して,ライブドア株の第三者割当増資を引き受けたフジテレビが,ライブドアの証券取引法違反事件で株価が急落したとして賠償を求めていた訴訟で,ライブドアがフジに約310億円を支払うことで和解した。

1.23著作権検索のポータルサイト運用開始

日本音楽著作権協会など17団体で構成する創作者団体協議会が,著作権情報などを検索するためのポータルサイトの運用を開始した。著作権保護期間を死後 70年に延長する権利者側の要望に対して,延長されれば権利処理がさらに困難になるという反対意見があるところから,ポータルサイト の利用で権利処理の簡便化を訴えるのが狙い。

1.27私的録音の主メディアはパソコン

日本音楽著作権協会など音楽関係の7団体が私的録音・録画の実態調査結果を発表した。録音の主メディアがパソコンである人が60.2%,パソコン等ハードディスクに300曲以上の音楽コピーをしている人が42.6%,などの結果がでた。7団体では調査の結果,録音されている楽曲数は30代までの年齢層でパソコンへの複製に限定しても239億曲を超えていると推計した。

1.27番組製作社連盟,制作着手金など要望

テレビ局の経営悪化に伴って番組制作費の削減が進んでいるなか,プロダクションが加盟する全日本テレビ番組製作社連盟が,プロダクションの資金繰りのために,契約段階で着手金を支払うことなど6項目を在京キー局と在阪準キー局に要望すると発表した。

1.2809年度,民放は過去最大の落ち込み

民放連研究所が,加盟テレビ局の2009年度の営業収入見通しを発表した。それによると地上波テレビは3年連続でマイナスとなり,09年度は前年比6.2%減で,過去最大の落込みになる見通し。