放送研究と調査(月報) - 目次

各国の「放送界の動き」に関する情報を掲載しています。

放送界の動き

2008年9月

9.1NHK,携帯向けに高画質の動画配信

NHKエンタープライズが運営する携帯電話向けサイト「NHKストリート」が,(株)アクアキャスト(東京・品川区)などが開発した圧縮技術を使って,秒間最大30フレームという高画質の動画配信を開始した。新技術の導入によって,今後は本格的なドラマやライブの配信などのほか,ビデオ・オン・デマンドも可能となる。

9.4教育テレビ,週末放送終了時刻繰り上げへ

NHKの福地茂雄会長が,2008年10月以降金曜から日曜まで教育テレビの放送終了時刻を繰り上げることを発表した。合わせてこれまで放送終了後も緊急災害放送に対応するために出し続けていた「搬送波」も教育テレビでは停止するとした。こうした措置により,半年間で300トンのCO2排出量を減らすとしている。

9.4テレビ国際放送会社 新たに15社の出資決まる

NHKは,2009年2月に開始予定の外国人向けテレビ国際放送を行う「(株)日本国際放送」(NHKの子会社)に,テレビ東京を除く在京キー局4社,アメリカのマイクロソフト社やNTTコミュニケーションズなど15社が新たに出資することが決まったと発表した。

9.4フジテレビの持株会社化を認定 TBSも移行方針決める

総務省が,フジテレビの認定放送持株会社への移行を認定した。放送免許は傘下となる「株式会社フジテレビジョン」が承継する。
また9月11日には,TBSも認定放送持株会社へ移行する方針を取締役会で決めた。08年12月に開催する臨時株主総会に特別議案として提案し,承認を求める予定。

9.11インターネットへのNHK番組配信 新業務基準案を発表

NHKは既放送番組をインターネットで,有料配信する「NHKオンデマンドサービス」の開始を前に,新業務基準案を発表。9月12日から30日まで一般からの意見募集を行った。サービスは「見逃し番組」と「特選ライブラリー」の2本立て。料金は民間事業者の平均的な水準に比して不当に低くならないよう設定するなどとしている。

9.12スーパーハイビジョン国際伝送実験 国際放送機器展で特別賞

オランダのアムステルダムで開催された国際放送機器展で,NHKはイギリスBBC,イタリアRAI,欧州放送連合,欧州衛星通信機構などと共同で実施したスーパーハイビジョンの国際伝送実験が特別賞を受賞したと発表した。スーパーハイビジョンの国際伝送実験は世界で初めて。

9.12母子殺害事件の差戻し控訴審放送 検証委の指摘に放送局側が反論

山口県光市の母子殺害事件の差戻し控訴審に関わる一連の放送について,「放送倫理検証委員会」が,「多くの番組が被害者遺族を前面に出しすぎるなど公平な裁判報道ではなかった」などと指摘 したことに関して,放送局側の反論が公表された。

放送局側は,おおむね同委員会の意見を踏まえ,今後は放送倫理の向上に努めるとしているが,同委員会が33本の番組をまとめて意見を述べたことに対しては,番組ごとに問題点を指摘すべきだったと批判した。同委員会と放送局がそれぞれに意見を出し合うという試みは初めて。

9.25マスコミ倫理懇談会全国大会開催

放送,新聞,出版関係者などでつくるマスコミ倫理懇談会の全国大会が熊本市で2日間の日程で開催された。裁判員制度と報道,匿名社会報道の自由,ネット社会とメディアの倫理などについて討論が行われ,より高い倫理観と責任感を持ってマスコミ倫理の向上に努めることを申し合わせた。