放送研究と調査(月報) - 目次

各国の「放送界の動き」に関する情報を掲載しています。

放送界の動き

2007年9月

9.3TBSが不二家報道,ゴルフ取材で処分

TBSは,放送倫理違反を指摘された『みのもんたの朝ズバッ!』の不二家不祥事報道と,高校生の人気アマチュアゴルファーの取材で,同伴競技者に密かに小型マイクをつけるよう要請して批判された問題で,TBSと子会社の役員19人を減俸処分にした。また,『朝ズバッ!』関連では,制作局長を出勤停止3日,情報センター長を出勤停止2日,ゴルフ取材関連ではチーフプロデューサーら11人に対して減俸などの処分を行った。

9.5NHK『ワーキングプア』などに新聞協会賞

日本新聞協会が2007年度の新聞協会賞を発表した。編集部門では,NHKスペシャル『ワーキングプア』や,高校の必修科目未履修問題をスクープした北日本新聞高岡支社「高校必修科目未履修」など4件が受賞した。

9.10相撲協会が「協会批判」で取材証を没収

日本相撲協会が,テレビに出演して協会批判をしたとして,東京相撲記者クラブの会友で元NHKアナウンサー杉山邦博氏の取材証を没収した。相撲記者クラブが抗議し,相撲協会は12日に取材証を返還することに同意した。

9.12ワンセグ機能の携帯1,000万超える

電子情報技術産業協会の発表によれば,ワンセグ放送を受信できる機能を備えた携帯電話の出荷台数が7月末で1,177万台となった。2007年1月から7月末までで836万台が出荷され急速に伸びた。携帯電話のワンセグ機能搭載率は36.6%。

9.12TBS,買収防衛策の発動見送り

TBS が楽天の株買占めに対抗するための買収防衛策(新株予約権の発行)の発動を当面見送ることを取締役会で決めた。買収防衛策の発動の是非を検討してきた TBSの第三者機関「企業価値評価特別委員会」(委員長・北村正任毎日新聞社社長)が9月7日に,楽天が防衛策発動の対象になる「乱用的買収者」となるかどうかは現段階では判断できないとして,防衛策を発動する必要はないとTBSに伝えていた。

9.13地デジ,最大60万世帯受信できず

総務省が地上波テレビのアナログ放送が停止されデジタル放送への移行が予定されている2011年7月に向けての整備計画を発表した。それによると2010 年末時点で最大60万世帯がデジタル放送を受信できない。山間部などでデジタル放送のUHF波が届かない地域があるためで,総務省では衛星放送などでのカバーを検討するとしている。

9.13「一番大切なメディアは携帯」 「青少年委員会」が調査

放送界の第三者機関「放送倫理・番組向上機構」の「放送と青少年に関する委員会」が,「今,テレビは子ども達にどう見られているか?」の調査結果を発表した。それによると,中学生では「一番大切なメディア」として携帯電話をあげた生徒が42%で,テレビの38%を上回った。同委員会では,この先携帯電話利用年齢が下がるにつれ,テレビの位置が下がる可能性が大きい,と分析した。

9.25NHK新経営計画,議決に至らず

NHK経営委員会は,NHK から提案された2008年からの「5か年経営計画」について,内容が不十分だとして承認せず,新中長期経営計画を改めて提案するよう求めた。

9.26総務相,増田氏再任

安倍首相の辞職の後を受けた福田康夫新内閣が発足し,総務相には増田寛也氏が再任された。

9.30「ハゲタカ」にイタリア賞

NHKによれば,連続ドラマ「ハゲタカ」の第1回「日本を買い叩け」が,第59回イタリア賞で,最優秀賞にあたるイタリア賞を受賞した。イタリア賞は世界的に権威のある放送番組コンクール。