放送研究と調査(月報) - 目次

各国の「放送界の動き」に関する情報を掲載しています。

放送界の動き

2007年8月

8.2値段の安いチューナー必要 デジタル化で「情通審」が中間答申

「情報通信審議会」が,地上波放送のデジタル化に向けての課題について中間答申を発表した。このなかで同審議会は,視聴者がアナログ受信機の継続使用を望んだ場合に備え,値段の安いチューナーを市場に流通させる必要があるなどと提言した。

8.2外国人向け映像国際放送 NHK子会社で実施へ

「情報通信審議会」は,外国人向け映像国際放送について,実施主体をNHK 子会社とする答申を行った。同審議会は,財源は国・民間から支援するほか,子会社の独自放送分については広告の導入を提言した。

8.6『みのもんたの朝ズバッ!』放送倫理上問題,と「検証委」が見解

関西テレビの『発掘! あるある大事典II』の「ねつ造」問題を契機に設置された放送界の第三者機関「放送倫理検証委員会」が,初めての審理結果を公表した。審理対象となっていたのは,TBSの『みのもんたの朝ズバッ!』の不二家不祥事報道で,返品チョコレートの再利用があったとの証言は「ねつ造」ではなかったが,取材が不十分なうえ,司会者が断罪的発言をするなど放送倫理上の問題があったと指摘した。

8.9人質立てこもり事件で12時間発表なし 愛知県警記者会が抗議

新聞や放送など15社が加盟する愛知県警記者会が,8月2日に起きた人質立てこもり事件で,発生後12時間も報道発表がなかったことに関して,愛知県警と刈谷警察署に抗議した。愛知県警は,被害者の安全確保などに専念するあまり発表のタイミングを失した,と釈明した。

8.10NHK,次期経営計画に意見募集

NHK が次期経営計画(2008~2012)への意見募集を開始した。経営計画の策定にあたって,視聴者から幅広く意見を求め,計画策定の参考にしたいとしている。項目は,(1)重点的に取り組む放送 サービス,(2)衛星放送のあり方,(3)経費の削減と重点投資,(4)受信料の公平負担の徹底に向けた取組みや「還元」の考え方,の4項目。

8.17CATVの地デジ区域外再送信 民放に同意するよう総務相が裁定

大分県のCATV4 社が福岡県の民放4局に地上デジタル放送の再送信を要請していた問題で,総務相は,福岡県の民放4局に区域外再送信に同意するよう裁定を行った。アナログ放送では,民放側は再送信を認めていたが,デジタルでは,大分県の民放局の経営が苦しくなる,著作権上問題がある,などとして同意していなかった。

8.19萩本欽一さんの70キロマラソン ゴール時に瞬間最高視聴率43.9%

日本テレビ系の『24時間テレビ30 愛は地球を救う』で,萩本欽一さん(66歳)が挑戦した70キロマラソンのゴール時の瞬間最高視聴率が43.9%に達した(ビデオリサーチ調べ。関東地区)。

8.22ネット通信量,前年同月の1.4倍

総務省の発表によれば,ブロードバンドを利用した国内のインターネット通信量は,2007年5月には前年同月の1.4倍に増え,毎秒721.7ギガビット。国外からの流入量は1年で1.7倍。国内ユーザーによる海外サーバーからのビデオダウンロードの利用などが増えた。

8.27新総務相,民間から増田前岩手県知事

安倍内閣の改造人事で,新総務相に民間から前岩手県知事の増田寛也氏が就任した。増田氏は建設省の出身で,1995年から2007年4月まで岩手県知事。政府の地方分権改革推進委員会の委員長代理を務めていた。