放送研究と調査(月報) - 目次

各国の「放送界の動き」に関する情報を掲載しています。

放送界の動き

2007年4月

4.3関西テレビ,ねつ造の検証番組を放送

関西テレビは『発掘! あるある大事典2』の検証番組「私たちは何を間違えたのか」を1時間9分にわたってフジテレビ系の全国ネットで放送した。番組の冒頭,千草宗一郎社長が謝罪。ねつ造の経過と実態を明らかにした。千草社長は同日引責辞任し,新社長には片岡正志常務が就任した。

4.6政府,放送法改正案を閣議決定

政府は放送法改正案を閣議決定,国会に提出した。「ねつ造」問題に関する新たな行政処分が,放送界等の懸念にもかかわらず盛り込まれた。

4.10NHK石原経営委員長が辞任表明

NHK経営委員会の石原邦夫委員長が辞任を表明した。石原氏は,東京海上日動火災の社長で,同社は保険金の不払いで金融庁から一部業務停止などの処分を受けた。経営委員長は当面空席とし,委員長代行の梅原利之氏が委員長職務を代行する。

4.16ネット広告費5年後に2倍

電通総研が今後5年間でインターネット広告費が2 倍になるとの予測を発表した。2006年のネット広告費は3,630億円で,国内広告費の約6%。ネット広告費は今後年率16%で伸びつづけ,2011年には7,558億円に達するとしている。

4.18『みのもんたの朝ズバッ!』,TBSが謝罪

TBS は,2007年1月22日の『みのもんたの朝ズバッ! 』で,不二家が賞味期限切れのチョコレートを再利用していたなどと放送した問題で,18日の同番組内で「誤解を招きかねない表現があった」として謝罪した。1月の放送では,不二家の元従業員とされる女性が,賞味期限切れのチョコレートを回収し牛乳に混ぜて不正に再出荷する作業を日常的に行っていた,と証言。TBSは,チョコレートの回収は伝聞で事実との確証を得たものではなかった,証言者が働いていたのは10年以上前のことだったなどと説明した。

4.19民放連,関西テレビを除名

民放連が臨時総会で,「ねつ造」問題に関して関西テレビの除名を全会一致で承認した。また,「ねつ造」に関連して放送界の自律機能を強化するため5月に発足するBPO(放送倫理・番組向上機構)新委員会の調査への協力義務を決議した。

4.19楽天,TBS株の買い増しを通告

TBSは,インターネット大手「楽天」から株の買い増しを通告されたと発表した。楽天はTBS株の19%強を所有しており,20%を超えるとTBS は新株予約権を買収者グループ以外に与えて楽天等の保有比率を下げる買収防衛策を発動するかどうかを検討する。4月27日TBSは楽天に買い増し目的などの質問状を出した。

4.23写真の無断使用,日テレ3名を減給処分

日本テレビは,2007年3月18日放送の『行列のできる法律相談所』で,ある店の漬物を試食する場面の材料野菜を紹介するのに,関係のない店の野菜写真を無断で使用したとして,プロデューサーら3人を減給処分にした。

4.24テレ朝社長,市長射殺事件の文書押収で見解

テレビ朝日の君和田正夫社長が記者会見で,長崎市長射殺事件の容疑者が犯行前にテレビ朝日に郵送した文書に関して,任意提出には応じなかったものの令状による押収に応じた問題で「令状があればすべて応じるわけではないが,今回は総合的に判断した」と述べた。同社長は,今回の事件はテロであり,言論の自由の対極にある問題だとの判断を示した。文書には長崎市に対する不満等が書かれていた。

4.27「歴史的音盤アーカイブ推進協議会」設立

日本レコード協会やNHKなど6団体が,SP盤に収録されている昔の貴重な音源を電子化保存する「歴史的音盤アーカイブ推進協議会」を設立した。対象となるのは1900年代初頭からの約7万点。