放送研究と調査(月報) - 目次

各国の「放送界の動き」に関する情報を掲載しています。

放送界の動き

2007年1月

1.2NHK紅白歌合戦,視聴率39.8%

大晦日に放送された恒例のNHK 紅白歌合戦の視聴率は39.8%(第2部関東地区)だったとビデオリサーチが発表した。2004年の39.3%につぐ低い視聴率だった。「紅白」では出演したDJ OZMA のバックダンサーが着用したボディスーツが裸のように見えたため,視聴者からの苦情が殺到し,放送中に司会者が釈明した。

1.5WOWOWの加入者大幅増

WOWOW は2006年12月末の加入者数が11月末に比して約5万3,000件増え,245万5,000件になったと発表した。1か月で加入者増が5万件を超えたのは異例のこと。WOWOW では,スカイパーフェクト・コミュニケーションズの主力放送「スカパー」に専用のチャンネルを開設した効果が大きかったと見ている。

1.9情報通信審議会 新映像国際放送に「編集の自由の担保必要」

外国人向けの「映像国際放送の在り方に関する検討会」の中間取りまとめが「情報通信審議会」の総会で了承された。中間取りまとめによると,外国人向けの新たな映像国際放送はまずは英語で2009年当初から開始する。財源については,国費の投入は不可避だが,民間にも積極的な支援が望ましいとし,編集権の所在を明確にするとともに,番組編集の自由が担保される必要があるとしている。実施主体となるNHK の子会社については,外国人向けの放送を行う主体を新設する案と,NHK 国際放送を「外国人向け」と「在外邦人向け」に分け,外国人向け業務をNHK が子会社に委託する案の2案を提起している。

1.17NHK,07年度予算案を総務相に提出

NHK は2007年度予算・事業計画案を総務相に提出した。それによると,事業収入は前年度予算より131億円増えて6,348億円で,3年ぶりの増収となっている。不祥事によって落ち込んでいた受信料収入が回復に向かっているため。

1.21『発掘!あるある大事典II』でデータ等ねつ造 関西テレビが謝罪放送

2007年1月7日のフジテレビ系『発掘! あるある大事典II』で,納豆を食べるとダイエット効果があると放送され,納豆の売上げが急増したが,放送されたダイエット効果に関する実験データやアメリカの大学教授談話の日本語訳がねつ造されていたことがわかり,制作した関西テレビが謝罪放送を行った。スポンサーが降り,関西テレビはこの番組の放送を打ち切った。

1.23菅総務相,受信料引き下げ求める

菅総務相が記者会見で,受信料支払い義務化法案の提出に伴い,NHK に受信料額の20%程度の引き下げを求める考えを明らかにした。

1.24NHK受信料支払い督促,初の簡裁決定

NHKが受信料未払い者33件について支払い督促を行った訴訟で,東京簡易裁判所が初の決定を下した。督促額5万3,010円を未払い者の希望に沿って分割で支払うよう求めた。NHKによると1月31日現在33件のうち18件が支払い済み。分割払いを希望した3件は決定が2件,和解が1件。督促に異議を申し立てているのは4件となっている。

1.29番組改変訴訟控訴審NHKに損害賠償命令

NHK が放送した『ETV2001 問われる戦時性暴力』をめぐって取材に協力した市民団体が,事前の説明と異なる不本意な番組が放送されたとして訴えていた訴訟で,東京高裁は「NHK の当時の幹部が国会議員などの考えを必要以上に重く受け止めて,番組を編集し直した結果,取材相手の期待に反した」としてNHK に200万円の損害賠償を命じた。