放送研究と調査(月報) - 目次

各国の「放送界の動き」に関する情報を掲載しています。

放送界の動き

中国,“低俗番組”排除に向け管理強化へ

中国国家ラジオ映画テレビ総局(SARFT)は1月,コンテスト形式の番組などに低俗で質の悪いものが多いとして,管理強化の方針を打ち出した。中国では 2005年に湖南テレビが制作した『超級女声』という一般公募による歌謡コンテスト番組が大ヒットし,その後これに類する番組が急増した。これに対して SARFTの王太華局長は,各テレビ局が過当競争で質の低い番組をつくらないよう監視する方針を示した。監視の対象としてはこの他,犯罪・暴力・不倫などを描くドラマも含まれるとされている。そしてSARFTは同月,全国向け衛星チャンネルを持つ国内の各テレビ局に対し,2月から8か月間,午後5時から8 時の時間帯には「中国を肯定的に伝え,倫理感を高めるようなテレビドラマ」のみ放送するよう通達を出した。しかしこうした措置で視聴者が一層テレビから離れインターネットに向かうことになるとの指摘も出ている。

香港,同性愛者扱った番組を当局が批判

香港の公共放送RTHK が,同性愛者を取り上げた番組を制作し,地上テレビ局のTVB の時間枠を使って放送したことに対し,放送業務管理局が2007年1月,「番組は偏向している」などと批判し,言論・報道の自由を主張するRTHK との間で論争となっている。この番組は2006年7月にTVB でゴールデンタイムに放送されたもので,同性愛の女性2人と男性1人を取材して紹介していた。これに対し放送業務管理局は,視聴者から22件のクレームが寄せられたことをあげ,「番組は不公平,不完全で偏向している」と批判した。これに対しRTHK は,当局の判断こそ「不公平,不完全で偏向している」と反撃,メディア関係者や市民の多くも,当局の行為は少数派の市民への配慮を欠き,言論の自由に干渉するものだとしてRTHK を擁護した。

インド政府,外国チャンネルに放送禁止命令

情報放送省は,1月17 日,Sony Entertainment Television(SET)のアクション・チャンネル AXN が「品位に欠ける番組」を放送したとして,3月15日までの約2か月間,国内のケーブルテレビや衛星放送での放送を禁じる措置を発表した。AXN の『World's Sexiest Commercials』が「ケーブルテレビ・ネットワーク規制法」に規定されている公序良俗違反番組との判断からとされ,SET はインド政府に謝罪したが,IBF(Indian Broadcasting Foundation)など放送事業者団体などからは強い懸念の声が広がっている。

韓国,テレビのアナログ放送終了は2012年に

韓国情報通信部(省)のノ・ジュニョン長官は,放送通信の専門紙「電子新聞」が1月15日に掲載した単独インタビューの中で,テレビのデジタル化に伴うアナログ放送の終了時期を2012年と考えていると述べ,政府高官として初めてアナログ放送の終了時期を明言した。韓国では,テレビのアナログ放送終了目標は当初2010年とされていたが,デジタルテレビの普及速度が予測より大幅に遅れていた。

韓国地上DMB,2007年上半期中に全国で視聴可能に

韓国情報通信部は1月17日,地上DMB の地域放送事業者を対象に説明会を開き,放送局許可審査期間を従来の約60日から30日に短縮し,許可手続きを2月中に完了することを明らかにした。これによりKBS は釜山(プサン),光(クァンジュ)州など7地域で行っている実験放送を3月中に本放送とする計画で,MBCと地域民放各社も放送設備が整う6月頃までに本放送を実施する予定である。

台湾,大手ケーブルテレビ関連の企業グループ破綻

台湾のケーブルテレビ最大手「東森」と同じ系列の企業グループ「力覇」が1月に破たん,東森への影響が懸念されている。力覇は,東森の王令麟総裁の父の王又曾氏が創業した企業グループだが,1月初めに経営が破たん,その後検察当局の捜査で架空株式取引やインサイダー取引などの疑惑が浮上,王又曾氏夫妻は国外に逃亡した。この問題について東森は,現在は力覇との直接の関係はないと主張しているが,王令麟総裁は力覇グループの借入金の一部に個人保証をしていて銀行から早期の返済を要求されており,関係者の間では東森の経営に影響が出る可能性も指摘されている。