放送研究と調査(月報) - 目次

各国の「放送界の動き」に関する情報を掲載しています。

放送界の動き

9.1通信と放送改革「工程プログラム」 竹中総務相が発表

竹中総務相が情報通信審議会に,外国人向けの映像国際放送のあり方について諮問した。新国際放送については,実施主体や運営資金のあり方等が検討され,2006年12月に中間取りまとめが出る予定。

9.5「GyaO」でハリウッド映画放送へ

有線放送大手「USEN」が,無料動画配信サービス「GyaO」で,ハリウッドの「20世紀フォックス」の映画,ドラマ,アニメを放送すると発表した。「USEN」は,20世紀フォックス社とライセンス契約を結んだ。

9.7徳山高専生殺害事件,自殺した少年容疑者 実名・匿名報道の判断分かれる

山口県の徳山高専生殺害事件で,日本テレビとテレビ朝日が,容疑者の19歳の少年が自殺していたことが明らかになったため,夕方の番組から実名で報道した。NHK などは匿名報道を継続し,局によって判断が分かれた。新聞全国紙も,判断が分かれた。

9.11携帯電話でBBCワールドニュース フロントメディアが放送開始

コンテンツ配信会社「フロントメディア」が,イギリスの公共放送・BBC からワールドニュースの提供を受け,携帯向け無料放送局の「Qlick. TV」で放送を開始した。日本語版と英語版の2パターンで,録画したものを4~ 5時間遅れで24時間配信している。同社では,番組開始前に広告を入れて収入を確保する。

9.13政治的論評への政治家からの苦情申立て BRCが厳しい指摘

放送に対する視聴者からの苦情を審理する第三者機関・放送と人権等権利に関する委員会(BRC)が,コメンテーターの政治的論評への政治家からの苦情申立てに対して,申立人はメディアを通じて反論する機会を有する有力政治家であり,「自由な論評は甘受すべきであり,本件放送を論難することについては,報道の自由を堅持し,民主主義を維持発展させるという観点から疑問なしとはしない」と厳しい指摘をした。

9.19TBS,大手家電量販店と業務提携

TBS が,大手家電量販店「ビックカメラ」と業務提携したと発表した。提携内容は,同局の人気番組の関連グッズをビックカメラ店舗内で販売したり,インターネットの両社のサイトをクリック一つで行き来できるようリンクさせたりするなど。 ビックカメラは,2005年8月にTBS が行った敵対的買収対策の防衛的側面もあった第三者割り当て増資に際して発行済み株式の2% を取得している。

一方TBS株を買い占めた楽天との業務提携交渉は難航している。業務提携の前提として,TBSが楽天に保有株を手放すように要求しているため。

9.28架空外注制作費で テレビ朝日1億3,750万円の所得隠し

テレビ朝日が架空の外注番組制作費を計上したとして東京国税局から1億3,750万円の所得隠しを指摘された問題で,テレビ朝日は,架空の番組制作費を外部プロダクションに支払い,過剰な接待を受けていたとされるチーフプロデューサーを懲戒免職にするほか,広瀬道貞会長らの監督責任を問うなど12人の処分を発表した。

9.28問い直そう! メディアの価値と役割 マスコミ倫理懇,全国大会開催

放送,新聞,出版関係者ら約300人が参加して,「マスコミ倫理懇談会全国協議会」の全国大会が山形市で2日間の日程で開催された。今年のテーマは「問い直そう! メディアの価値と役割」で,個人情報保護法完全施行後の過剰な情報隠しやメディア・スクラム対策,少年事件の実名報道問題などに関して意見が交わされた。