放送研究と調査(月報) - 目次

各国の「放送界の動き」に関する情報を掲載しています。

放送界の動き

6.6光ファイバーのブロードバンド契約500万件超える

総務省のまとめによると,2006年3月末現在のブロードバンドサービスの契約数は2,330万1,105 件となった。このうちDSL は1,451万件で依然として多いが,対前年度比の伸びは6.2%。光ファイバー利用は545万件で,前年度に比して88.4%増と急速に伸びた。

6.14取材源の秘匿,全面的に認める 民事訴訟で東京高裁

東京高裁は,記者の取材源の秘匿に関して,秘匿が民事訴訟法の「職業の秘密」に当たるとし,憲法21条が保障する取材,報道の自由を根拠に,記者の取材源の秘匿を全面的に認める判断を示した。これは,アメリカの健康食品会社が起こした脱税報道をめぐる民事訴訟の証人尋問で,読売新聞記者が取材源にかかわる証言を拒否したことの当否をめぐって出され,「公務員の守秘義務違反」にあたる場合には,取材源の秘匿は認められないとした2006年3月の東京地裁の決定を覆した。東京高裁は「取材活動は公権力から自由でなければならず,情報提供者との信頼関係確保のために取材源を秘匿する必要がある」「秘匿が認められなければ,公権力の監視という報道機関の機能が十分に果たせなくなる」などと述べた。

6.17「GyaO」登録者1,000万超える

有線放送大手の「USEN」が,インターネットによる無料番組配信サービス「GyaO」の登録者数が 1,000万人を超えたと発表した。2005年4月にスタートして以来,1年2か月で大台を超えた。

6.18サッカー,クロアチア戦視聴率52.7%

ドイツで開かれているサッカーワールド杯予選日本対クロアチア戦は,テレビ朝日で中継放送されたが,平均視聴率は52.7%(ビデオリサーチ調べ,関東地区)だった。12日のNHKが中継した日本対オーストラリア戦は49.0%,23日の日本対ブラジル戦は(午前3時30分~5時)22.8%だった。

6.20通信・放送改革で政府・与党が合意

総務相の私的懇談会「通信・放送の在り方に関する懇談会」,自民党の「通信・放送産業高度化小委員会」が,2006年7月にまとめられる政府の経済財政運営の基本方針に向けて,通信と放送改革に関する論議を煮詰め,相次いで報告書を発表した。しかし,その内容に微妙な差があったため政府と与党が調整し,合意した。主な内容は,NTTグループの再編成は2010年に検討して結論を出すこと,NHKの保有チャンネルの削減は衛星放送だけを検討対象とすること,などとなっている。

6.21報道機関の使命等の議論が不足 通信・放送改革で新聞協会が意見書

政府や自民党の通信・放送をめぐる改革論議に関して,NHK や民放キー局も加盟する日本新聞協会が「今後の報道界全体のあり方に深くかかわる内容であるにもかかわらず,NHK や民間放送の報道機関としての社会的使命や役割についての議論が不足していた」「今後は当事者である放送事業者や,一般視聴者などに幅広く意見を求め,開かれた議論を慎重にすすめるべきだ」との意見書を発表した。

6.27NHK「視聴者への約束」,外部委員会が初の評価

NHK が2005年6月に行った「視聴者への約束」6項目について,果されたかどうかの評価を委託されていた外部委員で構成されるNHK“約束”評価委員会が,初めての評価を公表した。

6.30テレビの字幕放送,順調に伸びる

総務省が,2005年度のテレビ字幕付き放送の実績を発表した。それによると,NHK 総合では,総放送時間に占める字幕付き放送の割合が40%を超え,字幕を付けることが可能な放送時間の 98.2%に達した。在京の民放キー5局の総放送時間に占める字幕放送の割合は25%を超え,在阪準キー局でも20%を超えた。