放送研究と調査(月報) - 目次

各国の「放送界の動き」に関する情報を掲載しています。

放送界の動き

04.12.01韓国,放送中止に追い込まれた地上波民放iTV

韓国の地上波放送局iTV(京仁放送)が,2004年12月31日を最後に放送を中止した。iTVは仁川および京畿道とソウルの一部を放送範囲とする民放で,2004年末にテレビの放送事業許可期間が満了することになっていたが,放送委員会が,12月21日,放送の再許可推薦を拒否したため,23日, iTV取締役会が廃業を議決した。放送委が既存の放送局に対し推薦を拒否するのは史上初めてである。推薦拒否の理由として放送委は,財務能力の不足と大株主の財務構造改善への意志の欠如,許可条件だった放送収益の社会還元と放送発展支援計画の不履行などを挙げている。

04.12.01中国,記者やキャスターの道徳準則公表

中国国家ラジオ映画テレビ総局は12月上旬,「ラジオ,テレビの編集者,記者の職業道徳準則」と「ラジオ,テレビのアナウンサー,キャスターの職業道徳準則」を公表した。それによると,編集者と記者は党の路線,方針,政策を堅く守って執行すること,国家の秘密を守ること,取材先から金銭を受け取らないことなどが求められている。またアナウンサーとキャスターに関しては,これに加えて知名度を個人的な利益の追求や違法行為の隠ぺいなどに利用してはならないとされている。中国の放送メディアは商業化が進む中,取材先から金銭を受け取って都合の良いニュースを放送するなどの弊害が目立っていることから,今回の措置は放送関係者の綱紀粛正を図る狙いがあるものと見られている。

04.12.01中国,CCTVが「社会と法チャンネル」を開始

中国中央テレビ(CCTV)は12月28日,それまで西部地区開発を推進するためのチャンネルと位置づけてきた「西部チャンネル」を,治安・司法関連のニュースや法制意識普及のための番組を中心とする「社会と法チャンネル」に衣替えした。これは「西部チャンネル」の視聴率が低迷していたことが原因と見られている。「社会と法チャンネル」は1日20時間放送される。

04.12.01フィリピン,ケーブルテレビのCM放送を承認

フィリピン国内の通信行政を管轄する国家電気通信委員会は,12月21日,ケーブルテレビによるコマーシャル放送を認める方針を明らかにした。ただ,ケーブルテレビは視聴料金を徴収する有料放送であることから,地上波よりCMの放送時間を短くするといった規則を設ける予定である。

以前,大手のケーブルテレビ事業者Sky Cableがコマーシャル放送を行ったことがあり,地上波の商業放送局と,番組内容や広告放送に関する基準を作って監督を行っているフィリピン放送事業者連合などが,ケーブルテレビ会社による地上波市場の侵害だとして反発していた。

04.12.01シンガポール,新TV会社発足でチャンネル再編成

旧SPHメディアワークスがメディアコープ・グループと合併して発足した新会社,メディアコープTVホールディングスは12月7日,合併に伴い引き継ぐ放送チャンネル名を発表した。それによると,新会社はこれまでメディアコープTVが放送していたチャンネル8(中国語),チャンネル5(英語)と移動体向けデジタル放送のTVモバイルのほか,旧SPHMWのチャンネルU(中国語)の4チャンネルを放送することになった。また,チャンネルi(英語)は1月1日で中止と決まった。この再編により,これまでグループの主力だったメディアコープTVは,比較的地味なマレー語放送のスリアと子ども番組やタミル語放送のセントラルを放送することになり,ニュース専門のチャンネル・ニュース・アジアは,これまでどおりメディアコープ・ニューズが運営することになった。

04.12.01インド,国営テレビが衛星デジタル放送開始

インドのドゥールダルシャンが12月16日,直接受信の衛星放送DD Direct+ の本放送を開始した。

04.12.01インド,放送事業者によるコンテンツの独占的提供禁止へ

インドの放送規制監督機関TRAIは12月10日,放送事業者が配信事業者に分け隔てなくコンテンツ(チャンネル)を提供することを義務づける規則を告示した。