デジタル化の中でのニュースの読まれ方②

~ロイター・デジタルニュースリポート2023から~

公開:2023年11月1日

本稿は,イギリスのオックスフォード大学にあるロイタージャーナリズム研究所が行う国際比較調査『デジタルニュースリポート』についてのシリーズの第2回である。第1回では,さまざまなプラットフォームが出現し、「断片化」が起き、そのプラットフォームで誤情報・偽情報が流れることや,アルゴリズムによって情報が取捨選択されていることに不安を抱えながらも,ユーザーが利用を増加させている様子を説明した。
本稿では,こうしたメディア環境の変化が,人々のニュースに対する「信頼」や「関心」にどのような影響を与えているのかを見たうえで,ニュースを遮断したり避けたりする「ニュース回避」について分析する。世界には,「ニュースへの信頼」が低下し,ニュースを意図的に避ける「ニュース回避」が上昇する国があるが,日本ではこの2項目についてこうした傾向は見られない。一方,日本は,「ニュースへの関心」の低下が続き,ニュースにまったく触れない層も増え,2023年は世界で最も高い水準となった。さらに日本では,オンラインでニュースについてシェアしたり議論したりする「参加」が世界で最も低く,政治に対する議論の少なさも際立っていた。日本はニュースに対し受け身で,関心が薄らいでいるように見え,今後のジャーナリズムのあり方を考えるうえで考慮すべき要素だろう。また,公共放送について支持すると考える人の割合が少なく,特に社会的な役割に対する認識がほかの国と比べて低いのが特徴的だった。

メディア研究部 税所玲子

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