拡張を続けるアメリカ新興メディアVICEの行方

~雑誌からネット、テレビ、その先へ~

公開:2017年4月1日

アメリカで注目を集める新興メディアの「VICE」。音楽から社会派ドキュメンタリーまで幅広い題材を扱い、特に若者から高い支持を得ている。1994年にカナダの雑誌で始まり、アメリカに拠点を移してからはネットに展開し、さらにケーブルテレビなど映像分野にも進出して、2016年には月曜~金曜の夜のニュース番組も開始した。若者受けする様々なサブカルチャーを紹介するとともに、ニュースやドキュメンタリー取材では、対象に肉薄する“immersive investigative reporting(どっぷり浸かった調査報道)”で知られる。

創始者でCEOのシェーン・スミス氏は、VICEのターゲット層を1980~90年代生まれの「ジェネレーションY/ミレニアル世代」に定め、ネットとの親和性が高い彼らに向けて多様な「デジタルコンテンツのインターネット配信」を行い、VICEを成長させてきた。

2016年10月に始まったニュース番組『Vice News Tonight』では、番組のキャッチフレーズを「No Anchors, No Sponsors, No Censors.(キャスターなし、スポンサーなし、規制なし)」とうたい、新しいニュース番組のあり方に挑戦している。スミスCEOは多くのメディアが乱立する今の時代に、「若者に意味のあるコンテンツを、素早く、ダイナミックに提供するメディアだけが生き残る」と述べ、VICEをけん引している。

メディア研究部 柴田厚

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