「一つ,二つ,三つ」か「1つ,2つ,3つ」

公開:2019年12月1日

Q
ものを数え上げる場合「ひとつ、ふたつ、みっつ」などを「1つ、2つ、3つ」と書いてもいいだろうか。
A
「一つ、二つ、三つ・・・」「1つ、2つ、3つ・・・」のどちらを使ってもかまいません(『NHK漢字表記辞典』)。 なお、ひらがなで書くこともできます。

<解説>

「ひとつ、ふたつ、みっつ・・・」は、漢字「一、二、三・・・」の訓読みです。「常用漢字表」(2010年内閣訓令・告示)には「一つ、二つ、三つ、四つ、五つ、六つ、七つ、八つ、九つ」の用例がそれぞれ示されており、漢字で書くことができます。また、これらを算用数字で「1つ、2つ、3つ・・・」と書くこともできますし、ひらがなで「ひとつ、ふたつ、みっつ・・・」と書くこともできます。

常用漢字表は漢字の使い方を述べたものです。算用数字や記号の使い方までは示しておらず、算用数字で書いてはいけないと定めているわけではありません。実際に、「ひとつ、ふたつ、みっつ・・・」などが算用数字で書かれることも多くなっています。例えば、平成30年度「国語に関する世論調査」(2019.2~3・文化庁実施)で「一つ、二つ、三つ」と「1つ、2つ、3つ」とで「どちらの書き方がいいと思うか」を聞いたところ、「1つ、2つ、3つ」が66%、「一つ、二つ、三つ」が24%という結果が出ています。

漢字、算用数字、ひらがなの使い分けは次のように考えられます。

  1. ・決まり文句やその数以外には置き換えられない場合は漢字を使う。
    1. 一つ穴のむじな
    2. 一つ覚え
    3. 二つ返事
    4. 二つに一つ
    5. 二つ目(落語用語)
  2. ・数を数えるような場合で数字がほかの数字に変わることがありうる場合は算用数字を使う。
    1. 1つの画面に映し出される
    2. 机の上にりんごが2つある
  3. ・ひらがなの場合
    1. 「ひとつやってみよう」「ふたつながら」など副詞として使われる場合はひらがなを使う。

これらの例のほか「○○の中のひとつ」などの表現は、漢字、算用数字、ひらがなといずれの書き方もありえます。くわしくは、『NHK漢字表記辞典』原則「数字の書き方」(p.45~)を参照してください。

メディア研究部・放送用語 山下洋子

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