「牛タン」?「牛たん」?「牛舌」?

公開:2017年7月1日

Q
牛の舌のことをいう「ギュータン」は、どう書き表せばよいでしょうか。
A
放送では「牛タン」がよいでしょう。

<解説>

「牛の舌」の意味の「ギュータン」の「タン」は、英語の舌を意味する「tongue」の音を表したものです。NHKでは、放送上は、名前の由来から考えて「牛タン」の表記を使うようにしています。昨年5月に発行された新しいアクセント辞典にも、今回初めて「ぎゅーたん」が立項され、表記は「牛タン」となっています。

しかし、世の中の使い方には、主に「牛タン」「牛たん」「牛舌」の間でゆれがあります。インターネットで検索すると、「牛タン」が7割を超え圧倒的に多く使われていますが、「牛舌」「牛たん」もそれぞれ1割強程度使われています(下図参照)。

「タン」の部分に「舌」の文字を当てた「牛舌」については、「舌」という漢字には、もともと「タン」という読みはなく、まったくの当て字ですが、ときどき、焼き肉店などで目にするようになりました。『三省堂国語辞典』(第7版)には、「当て字」として「牛舌」の表記も立項されており、徐々に市民権を得つつあります。また「牛タン焼き」で有名な仙台では、ひらがなを使った「牛たん」という表記が多く見られます。「牛舌」も「牛たん」も、それぞれ表記上の何らかの効果を狙ったものでしょう。今後、使用が拡大する可能性はありますが、放送上は、もともとの意味に即して「牛タン」を使うのがよいでしょう。

(2017年6月20日19時 Google検索)

メディア研究部・放送用語 滝島雅子

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