NHKアクセント辞典 "新辞典"への大改訂 ⑥

漢語のアクセントの現況

~変化の「背景」を探る~

公開:2016年12月1日

『NHK日本語発音アクセント新辞典』(2016年5月発行)への改訂作業では、アナウンサーを対象とした調査の結果を、最も重要な判断基準とした。この稿では、一連の調査のうち、音声聴取式の「第2回調査」で実施した質問項目の中の「漢語」(1042項目)について取り上げる。

漢語のアクセントは、その語の音韻構造の違いによって、ある程度の傾向が見られる。これまでの先行研究と今回の調査結果から、次のようなことを指摘する。
▼【二字漢語】
▽1拍+1拍[○+○]:全体として頭高型を指向しており、またその傾向を強めつつある。
▽2拍+1拍[○○+○]:全体として頭高型を指向しているが、アクセントの変化が進行中の語には頭高に向かうものと平板に向かうものとがあり、総体としての把握が困難である。
▽1拍+2拍[○+○○]:全体として平板型を指向しているが、アクセントの変化が進行中の語には頭高に向かうものと平板に向かうものとがあり、総体としての把握が困難である。
▽2拍+2拍[○○+○○]:全体として平板型を指向しているが、アクセントの変化が進行中の語には頭高に向かうものと平板に向かうものとがある。ただし若年層では平板型の支持率が高い語群があり、総体としてはゆるやかに平板化しつつある。
▼【三字漢語】
もともとは起伏式のものが多かったのだが、一部の語に平板化の動きがある。

メディア研究部 塩田雄大

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