証言を基に読みとく放送制度② 黒川 次郎 (元NHK監事)

~公共放送の経営課題への対応~

公開:2019年3月1日

「証言を基に読みとく放送制度」の2回目となる今号では、長くNHKの経営企画部門で放送制度の見直しなどに関わってきた元NHK監事・黒川次郎氏の証言を取り上げる。前号の塩野宏氏の証言に対応する形で、1960年代から1970年代にかけての放送制度見直しの動きやNHKの経営課題への対応を中心にまとめた。

黒川氏は1960年の入局後、NHKの経営企画を担当する部署に配属された。1960年代前半には放送法改正の動きに対応したNHK放送法制研究会の事務局を務め、外部の有識者への放送制度の説明などを行った。その証言からは、当時、放送法制に詳しい研究者がほとんどおらず、研究会が専門家を育てる場となった面があることや、放送の二元体制や受信料制度の意義を再確認する上で研究会が重要な役割を果たしたことがわかる。

放送法の検討が落ち着くと、テレビの全面カラー化や衛星放送の開発がNHKの経営課題になった。このうち、カラー受信料の設定では、郵政省(現・総務省)の理解がなかなか得られず、導入までに曲折があったことが証言から明らかになった。そして、この問題のあと、NHKの事業を国民に広く説明するため、有識者を交えた審議会を開かれることが増え、長期計画もそうした場で検討されることが多くなっていったこともわかった。

証言を通じて、NHKの経営企画部門が制度上の課題にどのように対応してきたかが浮かび上がるとともに、外部の有識者との関係が、公共放送のあり方を検討する上で重要な役割を果たしてきたことがわかる。

メディア研究部 村上聖一/山田 潔

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