テレビの読み解きからネットでのコミュニケーションまで

~放送局のメディア・リテラシーへの取り組みの変遷~

公開:2020年4月1日

メディア・リテラシーという言葉は日本では、「マスメディアが伝える情報を批判的に読み解く能力」という文脈でとらえられることが多く、1990年代後半から広く使われるようになり、この時期にNHKや民放でメディア・リテラシーに関する取り組みが進んだ。こうした動きは2000年代に一段落したが、「フェイクニュース」「ポスト・トゥルース」などの言葉が注目を集める現在、あらためて「受信者としても発信者としても、メディアのあり方を考え行動できる能力」としてのメディア・リテラシーの育成が求められている。
本稿ではメディア・リテラシーの概念を整理した上で、放送局のメディア・リテラシーへの取組を、番組と番組以外に分けてみていく。番組については「自己検証番組や特集番組」と「小中学生や高校生を対象とした教育番組」に分類、番組以外については「小中学生や高校生向けのイベント」「一般向けの公開施設」「ウェブサイト」の3つに分類、それぞれの取組の変遷を、NHKを中心に民放も含めてみる。
ソーシャルメディア時代を迎え誰もが映像を手軽に発信できる時代、放送局がメディア・リテラシーに果たせる役割を考えたい。

メディア研究部 宇治橋 祐之

※NHKサイトを離れます

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