NHK文研フォーラム2019

英米メディア 新たな地域サービスをめざして(1) アメリカで広がる 地域ジャーナリズムの連携とその可能性

公開:2019年7月1日

メディアが競争ではなく協力することによって取材力と発信力を高める連携、Collaborative Journalismについて、アメリカの地域ジャーナリズムにおける新たな取り組みを報告し、その可能性や課題について考察する。テレビ、ラジオ、新聞など伝統的なマスメディアはデジタルプラットフォームの影響力の拡大で情報のゲートキーパーとしての役割を失い、発信力の低下、信頼の落ち込み、そしてアメリカでは特に地方において取材力の衰退にも直面している。これに乗じて社会の分断と混乱を狙う偽情報も拡散され、「情報のジャングル」の中で人々は何を信じたらよいかわからない、あるいは信じたいものを信じるようになり、問題を解決するための議論の出発点となる事実を社会が共有できない事態に陥っている。このような状況を背景にアメリカで広がるジャーナリズムの連携は、メディアばかりでなく、民主主義そのものが直面する危機を克服するための試行錯誤の一つともいえる。本稿では、アメリカの各地で、一定の価値を共有する多様なニュースメディアが、州レベルの政治の監視、地域社会の課題解決、市民との対話や社会の分断の克服など、公共の利益に重点を置いた連携に参加する動きについて、その内容と特徴を2018年末に行ったアメリカでの調査と2019年3月の文研フォーラムでの報告をふまえて俯瞰する。

メディア研究部 青木紀美子

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