調査研究ノート

2年目の「#8月31日の夜に。」

~"公共メディアによるキャンペーン"の可能性~

公開:2018年12月1日

夏休みの終わり、新学期を前に憂うつな気持ちや不安を抱える10代の若者たちの声に耳を傾けようと、NHKは、去年(2017年)から、ウェブサイトやSNSと連動したキャンペーン「#8月31日の夜に。」を始めた。その中の番組のひとつ、『ハートネットTV+生きるためのテレビ #8月31日の夜に。』は、今年、2018年9月、放送番組などの世界で最も権威ある国際コンクールのひとつ、「イタリア賞」を受賞した。

今年の夏も、同キャンペーンは行われた。その中心となった『ハートネットTV』は、2年目を迎えて、キャンペーンを夏休みの終わる頃に集中的に行うだけでなく、夏休み期間を通して、もやもやした気持ちなどを吐き出す場として「2018夏休み ぼくの日記帳」を番組のウェブサイトに設け投稿を呼びかけた。また、若者に人気のウェブ上の投稿プラットフォーム「note」ともゆるやかに“連携”して、キャンペーンがより多くの人に届くように試みた。8月31日の放送当日には、ネットで「ライブストリーミング」も行い、テレビ離れが進む若い世代にリーチしようとした。その結果、番組サイトやツイッター上に、“若者たちが安心して、いることができる場所”を作ることができた。この取り組みは、“公共メディア”を目指すNHKによる、“ソリューションジャーナリズム”のひとつの形を示したとも言えるのではないだろうか。

メディア研究部 谷 卓生

※NHKサイトを離れます

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