流言・デマ・フェイクニュースとマスメディアの打ち消し報道

~「大阪府北部の地震」の事例などから~

公開:2018年11月1日

SNSの普及によって誤情報や虚偽情報は急速に、そして広範囲に拡散するようになった。本稿は、拡散抑制にマスメディアとして、どう向き合うのかを考察した。考察と検証の結果は以下の通り。

■拡散抑制の対象:
流言、デマ、フェイクニュースには、大災害などの非常時に不安や恐怖などの社会心理によって急激に拡散し、人びとの安全を脅かすおそれがあるものがあり、打ち消し報道の対象となる。

■打ち消し報道を行う意味:
先行研究によると、社会不安などが高じている非常時に、マスメディアの情報が状況を曖昧にしか説明できない場合に、流言が拡散する。曖昧さを少しでも払しょくするために、打ち消し報道を行う必要がある。

■拡散の実相:
「大阪府北部の地震」では、「京阪脱線」の流言が拡散した。Twitterの投稿を見ると、地震発生直後のツイートは「脱線するかと思った」だった。暫くすると、「脱線したの?」という疑問形、「脱線しているらしい」という推測のツイートが増えた。やがて「脱線した」という確定的な表現の投稿が現れた。

■ポスト・トゥルース時代に求められるもの:
誤情報・虚偽情報には人びとの生命・安全などに係わり、迅速に拡散抑制をする必要がある「急性」「亜急性」のものと、民主主義社会の健全な世論形成を徐々に蝕む「慢性」の毒性をもつものがある。後者の打ち消し報道を行う場合には、その公益性が人びとの納得を得られるものである必要がある。

メディア研究部 福長秀彦

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