被災地住民が求める「生活情報」とその発信

~平成28年熊本地震被災地における世論調査から~

公開:2017年9月1日

2016年4月に発生した「平成28年熊本地震」は、わずか28時間のうちに震度7を2回観測するというかつて例のない災害であった。一時は熊本県の人口の1割にあたる約18万人が避難生活を送った。地震発生直後から、被災地の自治体やメディアは、物資の配布や交通、医療など多様な「生活情報」を多様な媒体を通じて発信した。本稿は、自治体・メディアへの聞き取りと、被災地住民2,000人を対象とした世論調査に基づき、大規模災害時の生活情報伝達をめぐる課題を検討した。

■水道やガスなどの「ライフライン復旧の見通し」に関する情報は、いずれの自治体でも半数以上の人が「手に入りにくかった」と回答。スーパーなど民間商業施設の情報が不足していたという指摘もあった。

■20~40代では「スマートフォン・携帯電話」が主要な情報入手の手段だったが、カーナビやスマートフォンでテレビも視聴していた。

■益城町では、Lアラート(災害情報共有システム)の「お知らせ」機能を使って、メディアに生活情報や支援情報を一斉に発信した。被災自治体での「お知らせ」機能の活用は今回が初めてで、災害時の有効な情報共有ツールとなる可能性がある。

■地震前から活断層地震のリスクを認知していた人は、防災対策の実施率も高かった。平常時に地域の災害リスク情報を周知・浸透させることは防災上有効と考えられる。

メディア研究部 入江さやか

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