2017年3月に実施した「モバイルシフト社会とテレビ調査」の結果から,急速に普及が進むモバイル端末(スマートフォンやタブレット端末)の利用とテレビ視聴との関係を分析する。今回の調査では,人々とモバイル端末との関係を,利用実態だけでなく,利用を通して感じる意識も含め,「モバイル関与」と定義した。その具体的な場面から,24の「モバイル関与」項目を設定し,多変量解析を行った結果,4つの因子(「活用」「親密・密着」「つながり」「批判・敬遠」)に分類できた。
さらに,4つの因子の組み合わせにより,モバイル利用者を5つのグループに分類した。グループごとに,メディアの利用行動や意識をはじめ,生活意識やコミュニケーション・情報収集に関する価値観に違いがあり,モバイル利用者のテレビとの接し方も多様化していることが確認できた。例えば,「モバイル端末への親密度が高く手放せない」グループは,テレビを必要と思う人が9割近くに上り,テレビを見るのが大好きな人が8割に達するなど,テレビをおおむね肯定的にとらえていることがわかった。特に,このグループと「コミュニケーション重視でSNSの利用が多い」グループは,若年層ほど多く,スマホ時代の特徴的なグループと考えられる。
※男女年層別はホームページ上のみ掲載しています。