NHK文研フォーラム2017 メディアの構造変化の中で 第2部

「これからのテレビ」を巡る動向を整理するVol.10

~2016年10月~2017年5月~

公開:2017年7月1日

通信放送融合時代のテレビを取り巻く動向を網羅的に把握し、俯瞰して論考する不定期のシリーズ。本稿のVol.10では2016年10月から2017年5月までを取り上げる。また文研フォーラムでは吉田眞人総務省大臣官房審議官との対論を実施したが、状況の変化により、再びインタビューを行った。本稿ではその内容も紹介する。

2016年9月、総務省は「放送を巡る諸課題に関する検討会(以下、諸課題検)」の第一次とりまとめを発表。それを受け更に議論が続けられ、ローカル民放のあり方、同時配信実施に関する課題の解決策について2017年5月に取りまとめ案が示された。

取りまとめの文章で目立つのは、「共同」「共通」「連携」「協業」という言葉である。テレビや放送事業者の将来像を描く際、他社とのパートナーシップこそが鍵を握るという趣旨で、これは映像・情報メディアの昨今の市場動向とも重なる。

しかし、市場の議論の中に、受信料で成り立つNHKをどう位置づけていくかは難しいテーマである。ネットサービスにおけるNHKと民放のパートナーシップというテーマをどんな論理で考え、また“非”放送波サービスにおける「放送の公共性」をどう位置づけていくのか。

本稿では、映像・情報メディアの構造変化を具体的な事象として押さえ、その本質を考察する。その上で、その変化の中で放送政策は何をなし得るのかを、今後のNHKと民放のあり方を巡る議論への一視座として提示する。

メディア研究部 村上圭子

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