NHK文研フォーラム2017 シンポジウム

テレビ・ドキュメンタリーにおける"作家性"とは?

~制作者研究からの問い~

公開:2017年7月1日

テレビ・ドキュメンタリーは、テレビ草創期から今日に至るまで時代の変化に対応しながら、数々の名作や話題作が生み出されてきた。NHK放送文化研究所では、テレビ・ドキュメンタリー番組がどの様に創られてきたのか、制作者個人に焦点を当ててそのプロセスを凝視する「制作者研究」を行い、ディレクター、カメラマン、映像編集者などさまざまなテレビ・ドキュメンタリーの創り手たちの創作の記録を2012年から「放送研究と調査」で連載してきた。

今回のシンポジウムはこの連載をまとめた『テレビ・ドキュメンタリーを創った人々』が2016年末に刊行されたことを機に開催された。パネリストには3人の著名なドキュメンタリスト、田原総一朗氏、今野勉氏、相田洋氏と、テレビ研究者の伊藤守氏をコメンテーターとして招き、テレビ・ドキュメンタリーの“作家性”のあり様などについて議論した。近年テレビでは番組作りにおける独創性が弱まっているのではないかと言う指摘に対し、田原氏は「とことん相手に迫る」ことは今でもできると述べ、今野氏は自らを「作家」と意識したことはないとしながら「いかに大衆の気持ちをつかむかということがマスコミに入った人間に負わされた宿命でそこから逃げることはできない」と語った。また相田氏はこれからの制作者へ向けて「核心から逃げたらやらないことと同じだ」とメッセージを送った。60年近くテレビ制作の現場を歩んできた3人の議論を中心に、2時間半に及んだシンポジウムを再構成する。

メディア研究部 七沢 潔/松本裕美

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