NHK放送文化研究所では2016年11月から12月にかけて「メディア利用動向調査」を配付回収法で実施し,1,243人から有効回答を得た。今回は次の3つのテーマで結果をまとめた。
①放送の高機能化・・・4Kの認知率は7割を超えるが,「興味がある」と答えた人は3割に届かなかった。また,具体的な内容に関する知識についても現時点で認知が進んでいない。
②放送のインターネット同時配信・・・認知率は26.3%,常時同時配信に対する利用意向は47.5%で,利用したいと思わない派(51.7%)と拮抗している。毎日のようにインターネットを利用する人や,ふだん平日にテレビを30分くらい見るという短時間視聴の人で利用意向が高く,潜在的な需要があるとみられる。
③有料動画配信サービス・・・加入率は4.0%にとどまり,利用率も低かった。しかし,動画サイトを頻繁に利用している40代以下の年層では加入意向が全体より高く,中でも16~29歳については動画の数や種類にこだわる意識も見られたことから,加入への潜在的可能性は若年層を中心にあると思われる。また,全体の3割近くに上る有料多チャンネル放送加入者の中に,今後,有料動画配信サービスに移行するユーザーが現れる可能性も調査結果から浮かび上がった。