立体検証

BPO放送倫理検証委員会の10年

公開:2017年5月1日

BPO(Broadcasting Ethics & Program Improvement Organization)放送案倫理・番組向上機構の放送倫理検証委員会(以下検証委)が設立されてから、2017年5月で10年が経つ。検証委は、『発掘!あるある大事典Ⅱ』の不祥事を契機に起きた放送規制の動きに対して、放送界の表現の自由と自主・自律を守るために、NHKと日本民間放送連盟が設立した第三者委員会で、放送の場で起きた問題について、放送倫理違反にあたるかどうかを「審理」・「審議」し、その判断結果を「勧告」や「見解」、「意見」といった「委員会決定」として通知、公表してきた。

この10年間に出された「委員会決定」は2017年3月末現在で25件にのぼっている。これらを検証すると、類似した放送倫理違反が繰り返し起きていることがわかる。そのひとつは報道番組における証言やインタビューで偽りの内容を放送してしまったケースである。二つ目は、バラエティー番組の中でも事実を扱う番組や真剣対決を売り物にする番組で、事実でないことを伝えてしまったものであり、三つ目は選挙報道において、公平・公正に伝えることがおろそかになった事案である。同じような問題が繰り返し起きる背景として、検証委は忙しすぎる放送現場の制作体制などの構造的課題が指摘している。こうした検証委の活動を放送現場はもちろん広く理解してもらうことが重要な課題となっている。

メディア研究部 塩田幸司
BPO放送倫理検証委員会 前統括調査役 村上 徳

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