「朝ドラ」研究

『とと姉ちゃん』と前2作の視聴者調査を通して朝ドラ高視聴率維持の要因を探る

公開:2017年3月1日

近年視聴率が高い作品が多い連続テレビ小説(通称、朝ドラ)について、文研朝ドラ研究プロジェクトでは、視聴者に対する定期的調査を通して視聴実態と好調要因を探る研究を行っている。今回の『とと姉ちゃん』調査は『まれ』『あさが来た』に続く3作品目の調査。
『とと姉ちゃん』調査結果:100点満点で82.5点。満足度は『あさが来た』に比べると[とても満足]という人が少なめで、[まあ満足]という人が最多(56%)。視聴者から見ると、物語の起伏が小さめで、描写不足の部分も散見されるが、「健全で」「明るく」「前向き」で「さわやかな」印象があり、「続きが気になる」展開も随所にあって、大きな不満に至る人は大変少なく、終始安定した視聴率を維持したドラマ。
[朝ドラ高視聴率維持の要因]:3作品調査を行ったことで見えてきた“近年の朝ドラが高視聴率を維持している要因”をまとめた。①朝ドラ視聴を習慣化する人が増加。②朝ドラ視聴が忙しい朝の行動パターンに組み込まれると視聴脱落が起こりにくい。③朝ドラに期待される“明るさ”“さわやかさ”“やすらぎ”“勇気・元気になる”要素を備えている。④低下した視聴意欲を新たな物語展開が回復させている。⑤視聴者の「一度見始めたら最後まで見届けたい」気持ちが視聴を継続させている。⑥こうしたベースの上に“共感”“感動”が生み出されるとより高い視聴意欲が生まれる。

メディア研究部 二瓶 亙

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