「朝ドラ」研究

連続テレビ小説『あさが来た』はどのように見られたか

~視聴者調査から見た特徴と成功の要因~

公開:2016年9月1日

文研朝ドラプロジェクトでは、近年好調な連続テレビ小説(通称朝ドラ)について、定期的調査を通して、視聴者の視聴実態と好調要因を探る試みを開始。『あさが来た』調査は『まれ』に続く2回目の調査。[ 調査結果 ]100点満点で86点。90点以上を付ける人が5割強と大変高評価の人が多い。朝ドラを習慣で見る人が7割強と多く、若年層でも同レベルの多さ。強い意志を持って前向きに取り組む“あさ”というキャラクターが男女ともに好評。その“あさ”が周囲に数多くの理解者がいたので成功した・・・という描き方が好評。周囲の人びととのつながりの丁寧な描写が強い印象を残している。実在の人物をモデルにしたことが視聴者の安心感を生み、ドラマに入りやすくした。史実に忠実に描くというより、視聴者が朝ドラに求める要素(明るさ・前向き・暗い話や刺々しいエピソードは長く続けない等)に合わせて一日の始まりである“朝”には過剰と思われる要素を排して再構成し、起伏をやや抑えた展開で、概ね1週間で起承転結が完結する作りによって多くの視聴者をドラマの中に引き入れ、満足度を高めた。こうした“安心して楽しめる”展開・作りであることで、逆に「ベストワンにはならない」との声もあった。

メディア研究部 二瓶 亙

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