「朝ドラ」研究

最近好調な「朝ドラ」を、視聴者はどのように見ているか?続編

公開:2016年4月1日

[Ⅰ.朝ドラ視聴実態分析]では、2015年9月実施のWEB調査結果について①<視聴方法(リアルタイム視聴とタイムシフト視聴)軸>および②<朝ドラ習慣視聴(作品を問わず朝ドラを見続けることが習慣になっているか否か)軸>でクロス集計し、その特徴を分析した。①タイムシフト視聴派はリアルタイム視聴派より『まれ』を“全て見た”人の割合が高いが朝ドラを習慣視聴する人の割合はリアルタイム派より低い。②習慣視聴派も非習慣派も朝ドラをドラマとして楽しんで見ているのは同じだが、習慣視聴派の方が朝ドラに対するイメージが良く、視聴頻度も高めである、習慣視聴派でも個別作品をどの程度見るかは作品ごとに判断している。

[Ⅱ.視聴率分析]では、我々が朝ドラ研究を始めた『あまちゃん』以来の5作品について詳細な分析を加え、『まれ』がこの中で最も低かったことの構造的要因をさぐった。その結果、「朝ドラ」の平均視聴率に影響を与えているのは「視聴者の広がり」=【累積到達率】よりも【視聴頻度】であることが分かった。ただし、一回一回の視聴率で考える場合は【視聴頻度】の高い人の比率が高いと、その回の視聴率は低くなる傾向がある。さらにこの分析を過去38作品にひろげてみると、視聴率に対して【累積到達率】の影響が高まる時期があるものの、大きな流れではやはり【視聴頻度】の影響が大きいことが分かった。

メディア研究部 二瓶 亙、齋藤建作

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