プログラム詳細

32日(水)

A 10:30~12:00 シンポジウム
これからのメディアと、メディア研究を考える

~文研75周年記念シンポジウム~

1946年設立の文研は、世界に類を見ない総合的な放送研究機関として2021年に75周年を迎えました。公開された論考や記事は約8,800本。その研究成果を振り返り、これからのメディアと、メディア研究のあり方を考えました。

資料①PDF (619KB)

パネリスト

村松泰子 公益財団法人日本女性学習財団 理事長 / 東京学芸大学 名誉教授

専門は社会学、とくにメディアとジェンダー、教育とジェンダー。著書に『テレビドラマの女性学』(創拓社、1979)、編著に『メディアがつくるジェンダー 日独の男女・家族像を読みとく』(新曜社、1998)など。

伊藤守 早稲田大学 教育・総合科学学術院教授

専門は社会学・メディアスタディーズ。著書に『情動の社会学:ポストメディア時代における”ミクロ知覚”の探求』(青土社、2017)、編著に『ポストメディア・セオリーズ メディア研究の新展開』(ミネルヴァ書房、2021)など。

飯田豊 立命館大学 産業社会学部准教授

専門はメディア論、メディア技術史、文化社会学。著書に『テレビが見世物だったころ 初期テレビジョンの考古学』(青弓社、2016)、『メディア論の地層 1970大阪万博から2020東京五輪まで』(勁草書房、2020)など。


報告

村上聖一 メディア研究部 副部長

放送制度、メディア史の研究、『NHK年鑑』編集などを担当。


司会・進行

宇治橋祐之 メディア研究部 主任研究員

教育とメディア、メディア・リテラシーなどの調査・研究を担当。


B 14:00~15:30 研究発表&シンポジウム
コロナ共生社会の課題

~2020・2021世論調査報告~

新型コロナウイルスの流行は、医療の脆弱さやデジタル化の遅れ、女性へのしわ寄せなど、日本の社会が抱えている問題を顕在化させました。世論調査から浮かび上がった“コロナ共生社会”の課題を専門家と考えました。

資料①PDF (619KB)

パネリスト

大沢真理 東京大学 名誉教授

専門は社会政策の比較ジェンダー分析。著書に『企業中心社会を超えて 現代日本を<ジェンダー>で読む』(時事通信社、岩波現代文庫)『男女共同参画社会をつくる』(NHKブックス)『生活保障のガバナンス』(有斐閣)など。

筒井淳也 立命館大学 産業社会学部教授

専門は家族社会学、計量社会学。著書に『仕事と家族』(中公新書)『結婚と家族のこれから 共働き社会の限界』(光文社新書)『社会を知るためには』(ちくまプリマー新書)など。


報告

小林利行 世論調査部 主任研究員

東日本大震災10年、障害者共生社会などの社会調査やISSP国際比較調査を担当。

村田ひろ子 世論調査部 主任研究員

日本人の意識、中・高生の生活と意識などの社会調査やISSP国際比較調査を担当。


司会・進行

村田英明 世論調査部 副部長

社会保障、医療、労働が専門の解説委員の経験を生かして文研の社会調査を統括。


33日(木)

C 10:30~12:00 シンポジウム
ジャーナリズムの危機をどう乗り越える

誰もが発信者となる時代を迎え情報が氾濫する中、「事実」の重みやメディアへの「信頼」が揺らいでいます。「信頼されるジャーナリズム」とは何か。信頼を取り戻すために有効な取り組みは。危機を乗り越えようと模索する海外メディアの実践を糸口に、日本のメディアができることを考えました。

パネリスト

林香里 東京大学大学院情報学環教授、同大学理事・副学長

ジャーナリズム、マスメディア研究が専門。AI時代の真のジェンダー平等社会の実現などを目指すBeyond AI研究推進機構のプロジェクトリーダー。著書に2016年から1年にわたる米英独での研究をまとめた『メディア不信 何が問われているのか』(岩波新書、2017)など。

吉岡忍 ノンフィクション作家

大学在学中から執筆活動を始め、『墜落の夏 日航123便事故全記録』(1989)で講談社ノンフィクション賞を受賞。数々の事件現場や海外で取材を続ける。
日本ペンクラブ会長、BPO放送倫理検証委員などを歴任、言論や報道の自由について積極的に発信している。

細田直樹 NHK 制作局チーフ・プロデューサー

現在、クローズアップ現代+や番組開発を担当。スタンフォード大学客員研究員時代に、視聴者のエンゲージメントを活かしたジャーナリズムの手法を研究。以後、様々な番組や開発番組「1ミリ革命」で課題解決に役立つコンテンツ・メディアの在り方を模索。


報告

税所玲子 メディア研究部 上級研究員

イギリスとEUのメディアの動向調査を担当。


司会・進行

河野憲治 NHK 解説委員長

ワシントン支局長、報道局国際部長、ニュースウォッチ9キャスター、アメリカ総局長を歴任。国際情勢や欧米メディアの動きに精通。


D 14:00~15:30 シンポジウム
東京パラリンピック:放送とそのレガシー

東京2020パラリンピックでは、NHKを中心に日本の放送業界全体で大会の模様を伝えました。放送の内容や視聴者の反応を踏まえ、共生社会の実現に向けて放送のレガシーについて考えました。

パネリスト

岸田奈美 作家

著作に『傘のさし方がわからない』(小学館、2021)。ベンチャー企業で10年間広報部長を務め、独立。世界経済フォーラムのグローバルシェイパーズ、経済誌「フォーブス(Forbes)」の「30 UNDER 30 JAPAN 2020」「30 UNDER 30 Asia 2021」に選出。

太田慎也 株式会社WOWOW 制作局チーフプロデューサー

2001年入社。2016年「パラリンピック・ドキュメンタリーシリーズWHO I AM」を立ち上げ25ヵ国40組のトップアスリートを取材。国際エミー賞ノミネート、アジア太平洋放送連合賞最優秀TVスポーツ、日本民間放送連盟賞優秀等を受賞。

樋口昌之 NHK 2020東京オリンピック・パラリンピック実施本部副本部長

ソチ、リオデジャネイロ大会に続いて、TOKYO2020大会の放送・サービスの指揮を行う。


VTR出演

後藤佑季 元NHKリポーター

東京パラリンピックに向けてNHKが2017年に障害者を対象に公募したリポーターに選ばれ、国内外のパラアスリートを取材。東京大会の放送では主にパラ陸上の中継を担当。重度難聴で左耳に人工内耳を装用。


報告

山田潔 メディア研究部 研究主幹

障害者とメディア、放送法の変遷に関する調査研究を担当。


司会・進行

渡辺誓司 メディア研究部 主任研究員

パラリンピックと放送、教育とメディアに関する調査研究を担当。

34日(金)

E 10:30~11:45 研究発表
テレビのジェンダーバランス

~視聴者意識調査・テレビの内容分析から~

社会でダイバーシティー推進が求められるなか、メディアにも大きな役割と責任が求められています。今回、文研ではテレビがジェンダーバランスをどう反映しているか、また視聴者はそれをどう受け止めているか調査を実施しました。その調査結果をメディアの専門家と分析し、テレビのダイバーシティー推進に何が必要か考えました。

ゲスト

田中東子 大妻女子大学 文学部教授

フェミニズム、カルチュラル・スタディーズが専門。著書に『メディア文化とジェンダーの政治学-第三波フェミニズムの視点から』(世界思想社、2012)、編著に『出来事から学ぶカルチュラル・スタディーズ』(ナカニシヤ出版、2017)など。

荻上チキ 社会調査支援機構チキラボ 代表

メディア論を中心に、政治経済、社会問題、文化現象まで幅広く論じる。NPO法人「ストップいじめ!ナビ」代表理事。


報告

青木紀美子 メディア研究部 研究主幹

エンゲージメントなどメディアの危機に向き合う試みを調査。

小笠原晶子 メディア研究部 上級研究員

海外メディアの動向やダイバーシティー戦略など調査。


司会・進行

大竹晶子 メディア研究部 副部長

国内番組のダイバーシティーについて調査。

F 13:00~14:00 研究発表
転換点を迎えた私たちの生活とメディア

~「国民生活時間調査2020」から~

この四半世紀で、人びとの生活やテレビをはじめとするメディア利用はどう変わってきたのでしょうか。国民生活時間調査や最新の世論調査から、ネットメディアの台頭、社会情勢の変化、そしてコロナ禍を経た現在と今後を読み解きました。

資料①PDF (4,774KB)

報告

平田明裕 世論調査部 主任研究員

人々のテレビ視聴やメディア利用と意識に関する調査研究を長年担当。

渡辺洋子 世論調査部 研究員

国民生活時間調査を2005年から担当。メディア利用調査などにも従事。


司会・進行

西久美子 世論調査部 副部長

テレビやインターネットなどメディア関連の調査を統括。


G 16:00~17:50 シンポジウム
放送業界に捲土重来はあるか?

~改革の突破口を探る~

総務省では放送の将来像を考える議論が本格化しています。構造問題を抱える業界の事業モデルの再構築が求められる一方で、ネット空間の課題が噴出する中で公共的なメディアとしての役割も期待されています。将来を主体的に切り拓くため、放送局はどんな改革を行い、そこで働く人々はどんなマインドを持って臨む必要があるのか。現場の模索から考えました。

パネリスト

阿久津友紀 北海道テレビ ライツビジネス部長

1995年入社。制作ADから情報番組D/P・報道記者・デスク。2020年10月からローカル局のDXを推進するデジタル編集長 WEBメディア・SODANE編集長、自らり患した乳がん生活も綴る。
(https://sodane.hokkaido.jp/series/pinkribbon/index.html)

伊藤隆行 テレビ東京 テレビプロデューサー・クリエイティブビジネス制作チーム部長

1995年入社。『モヤモヤさまぁ〜ず2』『池の水ぜんぶ抜く大作戦』『夢のオーディションバラエティ Dreamer Z』等、多くのバラエティ番組を企画制作。著書に『伊藤Pのモヤモヤ仕事術』。(周囲からは「伊藤P」と呼ばれている)

葛城豪 NHK 富山放送局長

2003年入局。報道番組ディレクターとして、『クローズアップ現代+』や『NHKスペシャル』を担当。現在、富山県内の視聴者に満足して頂くために、公共メディアとしての新たな地域貢献の形を、地元の経済関係者や行政とともに模索中。


ゲスト

伊能美和子 ヨコグシストⓇ

NTTグループで様々な事業/サービスを次々と立ち上げた、女性イントラプレナーの草分け的存在。現在は、東京電力ベンチャーズのチーフイノベーションオフィサー、複数の上場企業の社外取締役、大学客員教授等を兼任しながら、縦割りの組織/会社/業界/社会をバウンダリースパニング(境界連結)中。

小澤杏子 株式会社ユーグレナ初代CFO、丸井グループ新任アドバイザー、早稲田大学1年生

2002年生まれの19歳。東京学芸大学附属国際中等教育学校在学中に株式会社ユーグレナの初代CFO(最高未来責任者)に就任。
「環境への意識の高さ、低さに関わらず消費者が意識せずとも環境に配慮した行動をとれる仕組みの構築を目指す」という方針を策定し、既存のペットボトル商品の全廃、一部商品でストローの有無を選択可能にする改革に繋がった。
現在は、学業と丸井グループの仕事を両立させながら活動中。

山本龍彦 慶應義塾大学大学院 法務研究科(法科大学院)教授

2007年、博士(法学・慶應義塾大学)。桐蔭横浜大学法学部専任講師、同准教授を経て現職。総務省「プラットフォームサービスに関する検討会」「放送分野の視聴データの活用とプライバシー保護のあり方に関する検討会」「デジタル時代における放送制度の在り方に関する検討会」委員などを務める。


司会・進行

村上圭子 メディア研究部 研究主幹

国内メディアの最新動向を取材。