放送界の動き

各国の「放送界の動き」に関する情報を掲載しています。

    韓国,KBSの労組が社長辞任要求のスト突入

    韓国の公共放送KBSでは,パク・クネ前政権時代に任命されたコ・デヨン(高大栄)社長の退陣を求めて,ソウル本部の記者の労組が8月28日からストライキに入り,同日からラジオのニュースが相次いで中止となっている。また,地方局の記者とカメラマンの労組も29日からストに入ったほか,番組制作者の労組も30日からストに合流,混乱が拡大しているが,9月4日現在,社長は辞任を表明していない。一方,同様に現在の経営陣に対し「公正な放送」を要求して8月上旬から一部でストを行っていたMBCでも,9月4日から全面ストライキに突入していて,パク・クネ前政権時代にさまざまな政治介入があったとされる両局で,政権交代に伴って「公正な放送」を掲げる労組の動きが勢いを増している。

    香港,公共放送RTHKがラジオのBBC番組中継を中国国営ラジオに切り替えへ

    香港のRTHKは8月11日,商業局の相次ぐ撤退に伴ってデジタルラジオ放送を9月初めに終了するのに合わせて,それまでデジタルラジオで中継してきた中国中央人民ラジオ(CNR)の香港向け番組を,BBCワールドサービスの24時間英語版を放送してきたアナログのAM第6チャンネルに移すことを発表した。BBCワールドサービスの番組は1978年から40年近くにわたってアナログラジオ第6チャンネルで中継してきたが,RTHKではデジタルラジオ放送が終了する中,中国本土と香港の文化交流のためにCNRの放送は必要で,BBCワールドサービスの番組は今後,ラジオ第4チャンネルで午後11時から翌朝7時までの8時間中継するとしている。今回の措置に対し香港の民主派は,中国の力が香港の報道の自由をむしばみつつあることを示すものとして反発している。

    台湾,「原住民ラジオ」が開局

    台湾の先住民族(台湾では「原住民」を使用)向けのラジオ放送「FM96.3 Alian原住民ラジオ」が8月9日,開局した。台湾の原住民はタイヤル族・アミ族など16族あり,人口の約2%を占めている。こうした人々向けの放送として「原住民テレビ」がすでに2005年に開局しているが,ラジオ局は全国向けのチャンネルを多数持つ中国ラジオから一部を返還させることで,このほどようやく開局にこぎつけた。台湾では6月に同様の少数派住民向けのラジオ局として「客家ラジオ」が開局し,こちらは客家語の使用比率が80~90%にのぼっている。

    タイ,新国王の経歴記事を拡散して実刑に

    タイのワチラロンコン新国王の経歴に関する報道記事をFacebookで拡散したことは不敬罪にあたるとして,この記事を共有した民主活動家の男性に対し,コンケン県の地方裁判所は8月15日,2年半の実刑判決を下した。この記事は2016年12月,英BBCが新国王の即位を受けてインターネット上に掲載したもので,新国王の離婚歴などを報じており,報道を問題視したタイ政府は一時,BBCバンコク事務所の活動を停止させていた。当該記事はインターネット上で2,600人以上がシェアしたが,起訴されたのは,タイの民主活動家ジャトゥパット・ブーンパタララクサ氏(26歳)だけだという。今回の判決について,人権擁護団体アムネスティ・インターナショナルは,「Facebookでの平和な言論活動を抑圧的な法律で黙らせようとするのは極端で,ニュースをシェアするだけで実刑とは言語道断だ。直ちにジャトゥパット氏を釈放せよ」と抗議する談話を発表した。

    インド,"児童婚助長"批判のTV ドラマ放送中止

    インドで,9歳の少年と18歳の少女の結婚を描いたソニー・エンターテインメント・テレビジョン(SET)の連続ドラマをめぐり,児童婚を助長するとして批判の声があがっていた問題で,SETは8月25日をもって放送を中止した。このドラマは7月から月~金で午後8時半から放送されていた『Pehredaar Piya Ki(恋人の守護者)』で,児童婚を美化するような内容だとする批判が殺到。SETはインドの放送業界の自主規制機関BCCC(Broadcasting Content Complaints Council)から放送時間の変更などを求められていた。インドでは結婚を認められる年齢が女性は18歳,男性は21歳だが,農村部などに児童婚の風習が残っており,2016年のユニセフの調査では,18歳までに約半数の少女が結婚を強いられている。