放送界の動き

各国の「放送界の動き」に関する情報を掲載しています。

    台湾文化部,テレビドラマ産業に220億円規模の支援

    台湾で文化産業振興政策を所管する行政院文化部の鄭麗君部長は2月7日,テレビドラマ産業の国際競争力強化のため,国家発展基金から60億元(約220億円)以上の資金を投じる方針を表明し,民間からも同額の投資を呼び込んで120億元以上の資金を確保したいと述べた。台湾では,韓国や中国のテレビドラマが続々と輸入される一方,台湾のドラマの海外進出は苦戦が続いている。これは従来,台湾のテレビ広告市場が小さいうえ,テレビドラマ制作への政府の支援も不十分だったため,番組の制作費が韓国や中国より少なかったのが主な原因とされる。最近は言葉が通じる中国に俳優や映画監督などの流出も相次いでいたため,鄭部長は今回の措置を通じて,テレビドラマ業界の人材を台湾にとどめたいとしている。

    韓国,MBC新社長に労組から非難の声

    MBCの最高議決機関である放送文化振興会(放文振)は2月23日,臨時理事会でキム・ジャンギョム(金張謙)前MBC報道本部長を次期社長に決定し,これを受けてMBCは同日,キム氏を新社長に選任した。放文振の理事は青瓦台(大統領府)を含む与党側の推薦6人,野党側の推薦3人で構成され,社長の決定に際しては5人以上の賛成が必要となる。この日,野党側の理事は,3人の社長候補のプレゼンテーションを含めた理事会の内容の公開を求めたが,公開が認められなかったため採決には加わらず,与党側の理事6人の賛成で次期社長が決定した。MBCの労働組合では,キム氏はパク・クネ(朴槿惠)大統領(当時)に近く,政治部長当時の2012年大統領選挙の偏向報道や,2014年の旅客船沈没事故で遺族を「ヤクザ」と称して非難を浴びたことなどから社長にはふさわしくないとして,批判を強めている。

    韓国地上放送3社,SD画質によるIPTVでのVODサービスを中止

    韓国の地上放送3社(KBS,MBC,SBS)は3月6日,IPTV3社に対するSD(標準)画質でのVODサービスを中止した。これまで地上放送3社は,「olleh tv」のKT,「B tv」のSKブロードバンド,「U+tv」のLG U+のIPTV3社に対して,ドラマや芸能などのVODコンテンツをSD画質とHD画質の両方で提供してきた。コンテンツの価格はSD画質が700~1,000ウォン(約70~100円)程度,HD画質は1,500ウォン(約150円)程度であり,IPTV加入者は地上放送のVODサービスを利用する際,画質を選択することができた。これについて地上放送各社からは,コンテンツのHD制作が基本となり,UHD放送も始まろうとしている中,SD画質の提供に否定的な意見が出ていた。

    フィリピン,2023年までに地デジ化完了へ

    フィリピン政府の情報通信技術省(DICT)は2月14日,地上デジタル放送への完全移行を2023年までに完了するとした計画を発表した。フィリピンでは2013年に地上デジタル放送の規格として日本方式(ISDB-T)の採用を決定しているが,同方式には緊急警報放送やデータ放送を活用,災害情報を迅速かつ広範囲に伝達できる特徴がある。計画では2023年までにテレビ保有世帯の95%のデジタルテレビ移行を目指すとしている。DICTの担当者は,災害時にフィリピンの人々への効率的な情報提供が期待できると述べている。

    パキスタン,「テロ事件」と誤報を出した放送局に罰金

    パキスタン電子メディア規制庁(PEMRA)は3月3日,2月23日にラホールで起きた爆発を「テロ事件」と誤って報じた国内の29の放送局に対し,日本円で約50~100万円の罰金と,誤報へのお詫びを放送することを命じる処分を下した。パキスタンでは2月中にテロ事件が相次ぎ,23日にラホールで起きた2件の爆発をテロによるものとする見方を一斉にテレビ各社が報じたが,のちに事故であることが判明し,市民から苦情が寄せられていた。このためPEMRAはテレビ局の担当者を呼び事情を聞いたところ,大半が公共放送PTVを含む他局の報道内容をそのまま放送したと認めたことから,誤報でパニックを引き起こした責任を重くみて今回の厳しい処分に至ったという。PEMRAは同じく誤報を出したPTVを管轄するパキスタン情報省に対し,苦情に対応するよう勧告した。