放送界の動き

各国の「放送界の動き」に関する情報を掲載しています。

    韓国,「韓流」コンテンツの輸出が初めて減少

    未来創造科学部とKCC(韓国放送通信委員会)が12月25日に公開した『2016年放送産業実態調査報告書』によると,2015年における地上放送と放送チャンネル使用事業者(有料チャンネル)のコンテンツ輸出総額は前年比で3.8%減少し,3億199万ドル(約355億円)だった。同報告書によると輸出総額は2011年以降,着実に増加してきたが,今回初めて減少に転じたとしている。このうち,ビデオ・DVD販売やフォーマット販売などを除いた番組コンテンツの輸出に限定すると,これまで「韓流」を牽引してきた地上放送で,輸出額が前年比22.5%減少と不振が目立っている。これについてKCCは,ドラマや教養番組の輸出業績が悪化したためとしている。

    韓国KCC,不法営業の放送事業者に課徴金

    KCC(韓国放送通信委員会)は12月21日,視聴者の利益を侵害したとして,有料放送事業者らに対し,是正命令とともに計19億9,990万ウォン(約1億9,500万円)の課徴金を賦課することを議決した。対象となった事業者は,総合有線放送事業者のCJ HelloVision,衛星放送事業者のKT SkyLife,インターネットマルチメディア放送事業者のKT,SKブロードバンド,LG U+などである。主な違反の内容は,高齢者世帯を訪問し,「デジタル放送の商品に加入しなければ放送を視聴できない」といった虚偽の告知を行ったり,利用契約とは異なる料金を請求したりしたなどというものだった。

    台湾,公共放送グループの首脳人事決まる

    台湾の公共テレビ(PTS)を中心とする公共放送グループの首脳人事が12月22日までに決まった。このうち公共テレビについては,理事長のもとで業務の執行にあたる社長(中国語で総経理)に,ドキュメンタリー制作者の曹文傑氏が同月2日に選出され,理事長の陳郁秀氏とともに女性のリーダーによる新体制が発足した。また,2006年に公共放送グループの一員となった中華テレビ(CTS)の理事長は陳氏が兼任する一方,社長には番組制作会社「映画伝播」会長の郭建宏氏が同月22日に選出された。中華テレビは体質の古さに加え,公共放送グループ入りした後も政府交付金が支給されていないこともあって毎年多額の赤字を計上しており,郭氏の下で改革が進むかが注目されている。

    タイ,ネット規制強化に反対の声高まる

    タイの立法議会は12月16日,当局によるインターネットの規制を強化する内容を盛り込んだ「コンピューター犯罪法改正案」を可決した。同法改正案は,国王の署名を経て,2017年春にも施行される見通しである。これに対して,人権活動家やネットユーザーらは,違法となる行為の定義があいまいで,表現の自由を侵害し,政府批判を封じるために利用されるおそれがあるとして反対運動を展開している。また,法改正の取り消しを憲法裁判所に請求する構えもみせている。こうしたなか,ハッカーグループが,同法の改正に抗議する目的でタイ政府や治安当局などのウェブサイトに次々にサイバー攻撃を行ったが,プラウィット副首相兼国防相は同月26日,この事件の容疑者9人を拘束したと発表した。

    インド,ネパールとの国境付近に新たにFM中継局建設,"反インド宣伝"抑え込みへ

    インド政府は,ネパールとの国境沿いに新たに10のFMラジオの電波塔を建設することになった。これはインドの国境警備隊(Sashastra Seema Bal, SSB)の提案に基づいて行われるもので,SSBとインドの公共ラジオAIRが協力して進め,完成すれば両国の国境付近の村でもAIRの番組が聴取できるようになるという。インドとネパールの国境線は1,751キロにも及んでいるが,最近は国境付近で反インドのプロパガンダが広まっているとの報告もあったということで,SSBはインドの通信社PTIの取材に対し「人里離れた村の住民に新しい娯楽と情報を届けるとともに,プロパガンダの拡散も防ぎたい」と話している。SSBは1963年に設立された組織で,国境を物理的に守るだけでなく,反インドのプロパガンダに対抗するとともに現地の情報収集などの任務も負っていて,現在はインド内務省の管轄下にある。