放送界の動き

各国の「放送界の動き」に関する情報を掲載しています。

    韓国,記者等への「接待制限」法スタート

    韓国では9月28日,汚職の根絶を目的に,公職者や報道関係者等への接待を制限する新たな法律「不正請託及び金品授受禁止等に関する法」が施行された。同法の接待制限対象となる人は約400万人に上り,職務関連の社交・儀礼目的における飲食接待は1人3万ウォン(約2,770円),贈り物は5万ウォン(約4,610円)などの上限が設けられ,公務員や記者らが職務に関連した相手から規定を超える金品を受け取った場合には刑事処罰の対象になる。韓国憲法裁判所は7月,同法が言論の自由と平等権を侵害するなどと主張した弁護士や記者の団体の訴えを退けて合憲と判断していた。

    香港,デジタルラジオ局また撤退で危機的状態に

    香港の商業ラジオ局Metro Broadcast(新城電台)が9月12日,デジタルラジオ3チャンネルの放送免許の返上を政府に申請したと表明,これにより3つの商業局の相次ぐ撤退となり,デジタルラジオの運営は危機的状態に陥った。香港のデジタルラジオは新規参入のDBCが7チャンネル,フェニックステレビ系のURadioが2チャンネル,アナログチャンネルも持つMetro Broadcastが3チャンネル,そして公共放送でアナログチャンネルも持つRTHKが5チャンネルでそれぞれ放送を始めた。しかし専用機器の購入が必要なことや,香港政府がアナログ放送終了の目標時期を設定しないなどデジタル化推進政策が不十分だったこと,さらに政府の免許が不要なインターネットラジオの普及などが原因で各局とも広告収入が低迷した。URadioは2015年9月に,またDBCも2016年8月に免許返上の方針を表明,今回で商業局すべてが撤退に踏み切ったことになり,残るのはRTHKのみとなった。

    台湾メディア,ICAO総会の取材から締め出し

    国連の専門機関である国際民間航空機関(ICAO)の総会が,9月27日から10月7日までカナダのモントリオールで開かれたが,台湾は代表団の参加が認められなかった上,メディアの現地取材も拒否された。ICAOの総会をめぐっては,台湾が親中色の強い馬英九政権時代の2013年にはゲストとして出席を認められていたが,中国と距離を置く蔡英文政権になってからは,中国が台湾の国際舞台での活動に圧力をかけ,代表団の参加は認められなかった。さらに台湾メディアも,取材のできる記者証の発行を主催者から拒否された。これに対しニューヨークに本部を置くメディア団体のジャーナリスト保護委員会(CPJ)は,「すべてのメディアの記者に記者証を発行すべき」との声明を発表,ICAO事務局を批判した。

    タイ政府,デジタル放送事業権料大幅減額決定

    タイのNBTC(国家放送通信委員会)は9月14日,事業者の負担を軽減して経営を支援するため,デジタル放送事業権料を大幅に削減すると発表した。NBTCのTakorn Tantasith事務局長は,現在は年間売上高の2%に固定されている事業権料に累進制度を導入し,売上高が0~500万バーツ(約1,460万円)の場合は0.5%,500万~5,000万バーツで0.75%,5,000万~5億バーツで1%,5億~10億バーツで1.75%,10億バーツ以上は2%とする草案を示した。事務局長はその理由として,デジタル放送事業者の経済的な負担を軽減することで,生き残りの支援をするという重要な目的があると述べた。NBTCが2015年にデジタル放送事業者から得た事業権料は,5億8,000万バーツ(約17億円)だった。

    韓国KCC,MBCに対し衛星事業者への番組供給を命令

    KCC(韓国放送通信委員会)は10月4日,再送信料の交渉で対立する衛星放送事業者KTスカイライフへの番組供給中断を決めた文化放送(MBC)に対し,放送法に基づく番組供給命令を初めて発動した。この命令は,再送信関連の紛争による放送の中断を防ぐため新設された放送法第91条の7に基づく措置で,KCCは地上放送チャンネルの供給やその送出が中断された際,事業者または視聴者から通報された場合,30日以内の範囲で維持・再開を命令できると規定している。MBCは再送信料を加入世帯数ではなく端子の数に基づいて算出するため,KTスカイライフに加入者の詳細情報の提供を要求したが,社外秘を理由に拒否されたため,9月21日,チャンネルの番組供給を10月4日付で中断するとKTスカイライフに通知していた。