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放送博物館 2019年12月20日 (金)

#225 NHK放送博物館で「放送が伝えた宇宙」の展示を開催中です

放送博物館 山本さぎり

NHK放送博物館では、12月7日から企画展放送が伝えた宇宙 ~ そして、宇宙から あなたへ ~を開催しています。

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この企画展は宇宙がテレビを通じて身近なものになってきたことや、宇宙を利用した技術が衛星放送など日々の生活に密着していることを、NHKが保管する映像や資料をもとに紹介しています。同じ階の<ヒストリーゾーン>もご覧いただくことで放送技術への理解がより深まる内容になっています。ここでは展示のテーマと概要を紹介します。

tenji.jpg展示風景

1. テレビ放送開始までの天文現象の放送
1925年にラジオ放送が始まると、京都の天文台からの観測中継や、皆既日食の国内27局からのリレー中継など、さまざまな天文現象が伝えられるようになりました。
戦時中や戦後に映画館で毎週上映された「日本ニュース」では日食の観測を紹介しています。

2. 宇宙への進出とテレビ放送
アメリカとソ連を中心として各国が宇宙に進出し、その映像がテレビで放送されると視聴者の宇宙への関心も高まりました。
ソ連のガガーリン宇宙飛行士が人類初の宇宙飛行を成功させ1962年に来日すると、NHKは「ガガーリン少佐にきく」を放送しました。1966年には世界中の宇宙開発を取材した「海外取材番組<宇宙時代>」を放送しました。
アメリカがアポロ計画を進め、アポロ11号が1969年7月に月面着陸に挑むことになると、NHKは10日間にわたる特集番組を放送しました。特にアームストロング船長が人類初の月面着陸をした時間帯はおよそ6割の世帯がテレビをつけていました(関東地区)。

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アポロ11号の月面着陸特集番組スタジオ風景

3.NHKが関わった宇宙開発技術
 ここでは衛星放送の開発史を紹介しています。日本で人工衛星が作られ始めた頃は、NHKも独自に放送衛星を開発していました。衛星本体を製作しなくなってからも衛星放送の研究と実験を続け、1984年には衛星放送を家庭で直接受信できるようになりました。
 また、NHKのカメラは宇宙でも活躍しています。宇宙飛行士が国際宇宙ステーション(ISS)に高感度カメラを持ち込み、宇宙からの映像を届けています。また月周回衛星「かぐや」にハイビジョンカメラを搭載し、月から見た「地球の出」などの映像を送るなど科学的にも大きな成果をあげています。

kaguya-camera.jpgのサムネイル画像  kaguya_earth4.jpg

このほか、映像ブースでは宇宙飛行士がスペースシャトルや国際宇宙ステーションで活動する様子を、飛行士たちの目覚めの音楽とともに上映しています。
会期中は学芸員によるギャラリートークやJAXA研究員による講演会を開催いたします。ぜひお越しください。

 
NHK放送博物館 企画展示「放送が伝えた宇宙 ~ そして、宇宙から あなたへ ~」

会期  :2019年12月7日(土)~2020年3月29日(日)
会場  :3階 企画展示室
休館日 :月曜日(月曜日が祝日・振替休日の場合は火曜日休館)、年末年始
入場料 :無料
開館時間:午前9時30分~午後4時30分
所在地 :〒105-0002 東京都港区愛宕2-1-1
TEL  : 03-5400-6900