文研ブログ

文研フォーラム 2022年02月07日 (月)

#363 コロナ共生社会の課題~2020・2021世論調査報告~

世論調査部(社会調査) 村田英明


 新型コロナウイルスの感染者が国内で初めて確認されたのは2020年1月。あれから2年が経ちましたが、ウイルスは姿を変えながら、寄せては返す波のように何度も人類に襲いかかり、死者は国内で1万8千人余り、世界では500万人を超えました。ヒトからヒトへの感染を防ぐため、日常生活はもとより、社会のあらゆる活動が制限を余儀なくされ、まるで日本列島全体が大規模災害の被災地になったかのようです。宿主(ヒト)の中で生き延びるために変異を重ねる賢いウイルスの出現に、私たちは、なす術もなく、じっと我慢をしながら、事態が収束するのを待っています。
 自粛・自制の生活が長期化する中で、人々の暮らしへの影響や、行動や意識の変化を継続的に把握しようと、NHK文研・世論調査部では、感染拡大が始まったおととし(2020年)から「新型コロナウイルス感染症に関する世論調査」を実施してきました。調査の結果、約9割の人が感染拡大や変異ウイルスの登場を不安に思い、7割以上の人が生活に影響があると答えています。感染が拡大する前よりもストレスが増えたという人も約7割を占めています。特に”女性“や”子育てをしている人“、”非正規雇用“、”自営業者“などに、コロナ禍のしわ寄せが及んでいることがわかりました。医療に関しては、「医療崩壊」の不安を感じている人や、自分が感染した時に適切な治療を受けられるかどうか不安に思っている人が8割以上を占めていて、日本の医療体制の脆弱さが調査結果からも明らかになりました。
 3月2日(水)午後2時からオンラインで配信する文研フォーラム・プログラムB「コロナ共生社会の課題~2020・2021世論調査報告~」では、2020年と2021年に実施した2回の世論調査の結果を詳しくご報告するとともに、専門家をお招きして、新型コロナウイルスと共生していくための社会のあり方について考えます。
 パネリストは、社会保障など様々な政策をジェンダーの視点から分析している大沢真理さんと、家族や働き方などの問題を豊富な調査データを用いて分析している筒井淳也さんです。みなさんの参加をお待ちしています。

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