文研ブログ

文研フォーラム 2021年02月04日 (木)

#302 私たちは東日本大震災から何を学んだのか~震災10年・復興に関する世論調査報告~

世論調査部(社会調査) 村田英明


 2011年3月11日(金)午後2時46分。私は、東京・渋谷で震度5弱の非常に強い揺れを体感しました。かつて取材した阪神・淡路大震災の記憶がにわかに蘇り、この首都圏や遠く離れたどこかの都市で、ビルや高速道路が倒壊するほどの甚大な被害が出ていると直感しました。地震の揺れでNHK放送センターのエレベーターは停止してしまい、当時、ラジオセンターでニュースデスクをしていた私は、階上のフロアから職員が続々と避難してくる非常階段を1階から駆け登り、高層階にあるスタジオまでたどり着きました。そこで初めて、宮城県で最大震度7。東北から静岡にかけての広い地域で震度5弱以上の地震を観測したことを知り、かつて経験したことのない巨大災害が起きていることを理解しました。そして、その瞬間から、長くて、終わりの見えない取材が始まりました。
 あの日から10年。現在、文研で世論調査を担当している私は、3人の研究員とともに、東日本大震災からの復興と大規模災害に対する人々の意識を把握するため、大掛かりな世論調査を実施することにしました。思い描いていた復興は実現できたのか?福島の復興はどうか?国の復興対策の課題は何か?震災の記憶や教訓は風化していないか?災害や防災への意識は変わったか?等々、いま私たちが知りたいこと、多くの人に伝えたいことを質問して、全国と被災地の方々から数多くの回答が寄せられました。その貴重な回答の結果を、3月4日(木)の文研フォーラム(午前10時30分~)でご報告するとともに、専門家によるシンポジウムを開催して、被災地の復興と今後の大規模災害への備えについて考えたいと思います。
 パネリストは、防災や災害時の危機管理がご専門の河田惠昭さんと、災害情報学がご専門で全国各地で防災教育を指導されている片田敏孝さん。被災地からも、岩手県釜石市の野田武則市長にご参加いただく予定です。司会は、長年、国内外の災害を取材してきたNHK解説委員の松本浩司が務めます。ひとりでも多くの方の参加をお待ちしています。

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プログラムE:私たちは東日本から何を学んだのか~震災10年・復興に関する世論調査報告~
https://www.nhk.or.jp/bunken/forum/2021/program.html#programE

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