文研ブログ

文研フォーラム 2017年02月07日 (火)

#65 一緒に考えてみませんか? 『パラリンピックと放送の役割』

メディア研究部(メディア動向) 山田 潔

1つ1つの粒が立ち、キラキラ輝いていて、じっくり味わうとなかなかおいしい。高級ブランド米の宣伝ではありません。障害者スポーツの祭典・パラリンピックの競技中継を見た感想です。
2バウンドまでOKのルールから、ラリーの応酬が延々と続く車いすテニス。激しくぶつかり合う衝撃音に興奮する車いすラグビー。静寂のなか、ボールの中の鈴の音に集中するゴール・ボール。一度見始めると、自然とこぶしを握り応援してしまう、純粋にスポーツとしての興奮と感動を感じます。
NHKは、パラリンピックのリオ大会について、初めて総合テレビでの本格的な競技中継を行うなど、ロンドンの約3倍、133時間あまり放送しました。
スポーツには、する者、関わる者、観る者、それぞれに自然とお互いの垣根を低くし、理解を進める一面があります。パラリンピックを通して、障害があるけれど、同じ人間という実感が広がり、障害のある人もない人も、誰もが1人1人個性的で、輝ける共生社会になっていけるといいですね。

地球の裏側、ブラジル・リオデジャネイロで熱戦が繰り広げられてから、はや半年近くが経ち、東京2020大会が着々と近づいています。
2020年の東京大会で、パラリンピックをみんなで楽しみ、パラリンピックを共生社会の実現につなげていくために、放送はどう貢献できるのか。3月1日から3日にかけて行うNHK文研フォーラム2017の初日にパラリンピックと放送の役割~ロンドン・リオから東京2020に向けて~をテーマにシンポジウムを開催します。2012年の自国ロンドン大会からリオ、東京とパラリンピック放送を行う英国チャンネル4とNHKのリオ大会での中継番組比較を軸に、それぞれの放送当事者、北京大会での金メダルをはじめ合計5つのメダルを獲得した車いすランナー・伊藤智也さん、パラリンピックを社会変革の機会ととらえる上智大学教授・師岡文男さんをパネリストとして、東京2020に向けて放送の役割を考えます。
あなたも会場で、一緒に考えてみませんか。

また、シンポジウムに先立ち、「文研世論調査で探る東京2020への期待と意識」と題して、世論調査の結果から、オリンピック・パラリンピックの2016年リオ大会のテレビ視聴状況の分析、2020年東京大会に関する人々の意識などを報告します。なお、この調査は東京大会まで継続し、経年比較を行うことになっています。
こちらも是非ご参加ください。

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(参加申し込みはこちらから↓)
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それにしても、善し悪しは別としてオリンピック、パラリンピックは、やっぱり金メダルをとると盛り上がるんですよね。
選手の皆さん、ファイト。応援していきます!!