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文研フォーラム 2016年02月09日 (火)

#7 文研フォーラム紹介③ 新しいアクセント辞典、もうすぐ出来上がります

メディア研究部(放送用語・表現) 塩田雄大

日本語発音アクセント辞典という本があるのをご存じでしょうか。
私たちNHK放送文化研究所の放送用語グループで編集しているものです。

ラジオ放送が始まったころ、話しことばとしての日本語は、全国でさまざまなものが使われていました。
原稿を読むアナウンサーの発音・アクセントも人によってまちまちであったようで、
放送開始当初から、音声面での日本語を整えてもらいたいという意見が寄せられていました。

そして、1943(昭和18)年に、初めての放送用のアクセント辞典が出されました。
このころ、「放送文化研究所」はまだできていませんでしたが、
日本放送協会内に放送用語を専門に取り扱う部署があり、ここで時間をかけて編集したのです。

アクセント辞典は、一度作ったらそれで終了、というわけにはいきません。
ことばというのは変化するものなので、
その時代その時代の日本語の実態をふまえた上での、辞典の改訂作業が必要なのです。
1943(昭和18)年のアクセント辞典は、その後1951(昭和26)年、1966(昭和41)年、
1985(昭和60)年、1998(平成10)年版と、4回の改訂作業を重ねてきました。

0209-1.jpg 【1943年版~1998年版のアクセント辞典】

0209-2.jpg 【1943年版のアクセント辞典】

今回新しく出るアクセント辞典は、5回目の改訂作業を経て生まれた、6冊目のアクセント辞典ということになります。
正直、我々としても気合が入ってます。

改訂作業はまだまだ進行中なのですが、
3月2日(水)、「新・NHKアクセント辞典 ポイント解説!」(NHK文研フォーラム2016)と題して、
今度のアクセント辞典がどんなものになるのか、どんな変更を、どんな方法で施したのか、お話ししようと思っています。

アクセント辞典は、放送に出るアナウンサーだけでなく、
朗読奉仕や外国人向けの日本語教育に携わる方々、外国人留学生、役者さんなど、
「日本語」を扱ういろいろな方面で使っていただいています。
ほんとうに嬉しく、またちょっぴり誇らしく感じます。

声優さんも、そのヘビーユーザーであると聞いています。
                                                         

それが声優! 〔歌:イヤホンズ(高野麻里佳/高橋李依/長久友紀) 作詞:あさのますみ〕
 …
人生は甘くない 夢だけじゃ生きていけないよ
だけどどんなに無謀な賭けでも やっぱり大好き
さあ準備です 台本 のどあめ アクセント辞典
向かいましょう スタジオへ!
                                                         

改訂作業は、決して楽ではありません。
つらくなったときは、この歌を聞いて、最後の力を振り絞っています。というのはぼくだけですが。

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