文研ブログ

調査あれこれ 2017年10月20日 (金)

#99 幼児に人気の番組、いまむかし

世論調査部(視聴者調査) 星 暁子

最近の小さい子どもたちがよく見ている番組をご存じですか?
きょうは、文研が毎年6月に2~6歳の未就学児(東京30km圏)を対象として実施している「幼児視聴率調査」の結果から、幼児に人気の番組についてご紹介します。
こちらは、今年6月5日~11日の1週間で、幼児によく見られた番組のリスト(20位まで)です。
(このあとご紹介していく番組について、文字に色をつけています)

99-1020-11.png今回最もよく見られたのはEテレの「おかあさんといっしょ」です。長く続いている幼児向けの番組として知られていますが、さかのぼって調べてみたところ、実は調査が始まった1996年以降で視聴率がトップになったのは初めてのことでした。Eテレ(教育テレビ)の番組がトップになったのも初めてです。
では「おかあさんといっしょ」の人気が高まってきているのか(だとしたら嬉しい!)と調べると…実は、ほかの人気番組の視聴率が徐々に低下してきているため、「おかあさんといっしょ」がトップに浮上したということのようです。

では、過去はどんな番組がどのくらいの視聴率だったか、10年前(2007年)、20年前(1997年)の、幼児によく見られた番組のリスト(10位まで)を見てみましょう。

99-1020-23.png今も続いている番組やシリーズがいくつもありますね。アニメやヒーロー・戦隊シリーズは今でもたいへん人気がありますが、当時の視聴率は今よりだいぶ高いことがわかります。
アニメに注目すると、2007年には「Yes!プリキュア5」「サザエさん」「ちびまる子ちゃん」が30%を超え、1997年には「ドラえもん」「クレヨンしんちゃん」が50%を超えていて、当時の人気ぶりがうかがえます。
ヒーロー・戦隊シリーズをみると、今年は「仮面ライダーエグゼイド」「宇宙戦隊キュウレンジャー」が10位圏外になっています(ちなみに「キッチン戦隊クックルン」は、食育番組です)が、2007年には「仮面ライダー電王」が30.9%、「獣拳戦隊ゲキレンジャー」が25.9%でした。1997年にはヒーローシリーズの「ビーロボカブタック」が39.8%、「ウルトラマンティガ」「電磁戦隊メガレンジャー」が29.2%と、いずれも高視聴率を記録していました。

ただ、この調査の「視聴率」はテレビの放送と同時の視聴(リアルタイム視聴)についてのものなので、録画やDVD、動画で見られているものを含めると、一概に「アニメやヒーロー・戦隊シリーズの番組が見られなくなってきている」とはいえないのかもしれません。この調査では、自由記述で「お子さんが録画してよく見るテレビ番組/DVD/動画」のタイトルを書いてもらっているのですが、アニメやヒーロー・戦隊シリーズの番組名も数多く挙がっており、今でも子どもたちの「お気に入り」には違いないようです。
見ている子どもたちは成長とともに入れ替わっていくのに、20年以上もの長きにわたって支持され続けている番組があるということは、テレビ業界にとっての「財産」なのでは、と思えます。

幼児にテレビはどのくらいの時間見られているのか、録画番組やDVD利用の状況…など、今年の詳細な結果は『放送研究と調査』10月号で報告していますので、お読みいただければ幸いです。