文研ブログ

調査あれこれ 2017年09月15日 (金)

#94 スマホユーザーはテレビをどう見ているか?

世論調査部(視聴者調査) 平田明裕

ここ数年、急速に普及が進むスマートフォン。高校1年の長男にとっても、朝から夜寝るまで、肌身離さず手放せないツールとなっています。朝起きたら、すぐLINEをチェック。学校から帰ってきたらスマホで海外サッカーの動画を見て、夕食後はリビングルームでテレビを見ながら、スマホで友達とのやりとりをしています。

文研が2017年3月に実施した世論調査「モバイルシフト社会とテレビ調査」の結果から分類したグループの中にも、このようなスマホを手放せないグループが浮かび上がってきました。
今回の調査では、モバイル端末(スマートフォンやタブレット端末)の利用を通して感じる意識の違いにより、モバイル利用者をグループ分けしたところ、5つに分類することができました。

「いつでも一緒」 モバイル端末への親密度が高く手放せない    
「つながり優先」 コミュニケーション重視でSNSの利用が多い  
「自分流活用」  マイペースで主に情報収集のために活用     
「批判・敬遠」  一定の距離を置きながらモバイル端末を利用
「低関与」    モバイル端末を含む情報行動が全体的に不活性

グループの特徴として、「いつでも一緒」グループは、テレビを必要と思う人が9割近くに上り、テレビを見るのが大好きな人が8割に達するなど、テレビをおおむね肯定的にとらえています。また、「つながり優先」グループは、家族でテレビを見るのは楽しいと感じる人が8割、家族との会話がはずんだり場がなごんだりすると思う人が8割以上と、家族の団らん面でテレビの効用を多くの人が感じています。


下のグラフは、10歳刻みの年層ごとに5グループの人とモバイル非利用者がそれぞれどのくらい含まれているのかをみたものです。「自分流活用」「批判・経験」「低関与」のグループは、各年層に一定数いる一方、「いつでも一緒」「つながり優先」は若年層ほど多くなっています。
子ども時代から成人するまでにモバイル端末と出会った若年層で多い「いつでも一緒」「つながり優先」は、スマホ時代の特徴的なグループと考えられます。

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スマートフォンやタブレット端末を利用しているみなさんは、どのグループにあてはまるでしょうか。冒頭の我が家の長男はおそらく「いつでも一緒」グループになると思います。


「放送研究と調査9月号」では、さらに詳しく5グループの特徴を分析しています。そして、スマホ時代のテレビの位置づけなど、スマホユーザーのテレビ視聴を様々に読み解いています。ぜひご覧ください。