文研ブログ

調査あれこれ 2016年09月02日 (金)

#42 朝ドラ今世紀最高視聴率を獲得した『あさが来た』は視聴者にどのように受けとめられたのか

メディア研究部(番組研究) 二瓶 亙

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近年、テレビドラマの視聴率が振るわないと言われる中で、NHKの連続テレビ小説(通称・朝ドラ)は視聴率好調です。朝ドラは、2010年上半期放送の『ゲゲゲの女房』(番組全回平均視聴率18.6% *1))以降視聴率が上昇傾向にあり、2015年度下半期に放送した『あさが来た』(2015年9月28日(月)~2016年4月2日(土)放送)では番組全回平均視聴率が23.5%に達し、朝ドラとしては今世紀になって最高の視聴率を獲得しました *2)
視聴者は『あさが来た』を見てどのように感じていたのでしょうか。
文研では、朝ドラ研究プロジェクトを立ち上げ、実際にその作品を見ている視聴者の番組印象や評価を、量的調査(WEB調査)と質的調査(グループインタビュー)を通して探る定期的調査を、2015年度上半期放送の『まれ』から開始しています。朝ドラの好調要因を明らかにすることを通して、高度情報化社会が進展する中でも多くの人に見てもらえるテレビ番組のヒントを得ることを目指しています。
この定期的調査の2作品目に当たる『あさが来た』の調査結果がまとまりましたので、『放送研究と調査』9月号に「朝ドラ研究」連続テレビ小説『あさが来た』はどのように見られたか~視聴者調査から見た特徴と成功の要因】として掲載しました。

突然ですが、ここでクイズです。


朝ドラ研究プロジェクトでは、『まれ』『あさが来た』『とと姉ちゃん』について、各作品を比較的良く見ている人に100点満点で点数をつけてもらっています。次の点数はそれぞれどの作品の点数でしょうか。

①    86点    ② 81点    ③ 69点




答えは…
①    86点=『あさが来た』
②    81点=『とと姉ちゃん』…放送期間の中盤である7月下旬時点での調査の結果
③    69点=『まれ』 *3)
です。みなさんの評価と一致していたでしょうか。

『あさが来た』は、90点以上をつけた人が回答者の過半数を占め、大変高い評価をする人が多い作品でした。調査では、評価の理由や良かった点・良くなかった点、番組のイメージ、印象に残った登場人物などについても聞いています。その中には意外な指摘も…。詳しくは本文にて。

現在放送中の『とと姉ちゃん』も『あさが来た』と同様に、実在の人物をモデルにしたドラマです。はたして、最終的に『あさが来た』と同じように高い評価を得ることができるでしょうか。『あさが来た』の調査結果を読んでいただくと、似ているようで大きく違う『とと姉ちゃん』の特徴もよりはっきりと感じていただけるのではないかと思います。
『放送研究と調査』9月号【「朝ドラ研究」連続テレビ小説『あさが来た』はどのように見られたか~視聴者調査から見た特徴と成功の要因】をぜひご一読ください。


(注)
*1)    視聴率データは、以降すべてビデオリサーチ社関東地区の世帯視聴率です。
*2)    それまでの今世紀最高視聴率は2002年度上半期放送の『さくら』23.3%でした。
*3)    『まれ』の調査結果については、『放送研究と調査』2016年3月号4月号【「朝ドラ研究」最近好調な「朝ドラ」を、視聴者はどのように見ているか】をご覧ください。